アルメニア政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書CERD/C/ARM/5-6. 20 July 2010.によると、2003年8月のアルメニア刑法は人種差別撤廃条約第4条に由来する。刑法第226条によると、国民、人種又は宗教的憎悪又は敵意の煽動、人種的優位性の表明、又は国民の尊厳を侮辱することを目的とした行為は犯罪とされ、最低賃金の200以上500倍以下の罰金、又は2年以下の矯正労働、又は2年以上4年以下の刑事施設収容に処するとされる。同条2項は、刑罰加重として、同様の行為を公に又はマスメディアを通じて、暴力又は暴力行使の威嚇や、権力濫用によって行った場合、3年以上6年以下の刑事施設収容とする。刑法第63条は、刑罰加重事由として、国民、人種又は宗教的憎悪、又は宗教的熱狂に基づいて犯罪を行ったことを掲げている。
人種差別煽動団体の禁止は刑法第226条に含まれていないが、憲法第47条2項は、権利や自由は、国民、人種及び宗教的憎悪、暴力のプロパガンダ、及び戦争を煽動することを目的とする場合は制限されるとしている。2001年のNGO法や、政党法は、人種的敵意の煽動を目的とする団体の制限を定めている。