5日、人権高等弁務官事務所で開催された拷問禁止委員会CATは、ベルギー政府第3回報告書(CAT/C/BEL/3)の審査を行った。政府代表は13名、傍聴のNGOは40名を超えていた。CATは、もともと常連のNGOが結構多いためか、どの政府の審査の時も傍聴席はいっぱいになる。人種差別撤廃委員会CERDだと、傍聴者があふれる時もあれば、ガラガラの時もあるが、CATはいつもNGOが多い。しかも、女性の方が多い。ベルギー政府報告書は、あらかじめ委員会から出されたリスト・オブ・イッシューに即して組み立てられているので、大きな論点は先に答えているため、補足質問という感じだった。ベルギー政府のプレゼンテーションは、報告書の内容紹介を省いて、3点、最近の立法、人身売買、女性に対する暴力に焦点を当てて簡潔に報告した。ベルミー委員は、HRCや、CHRのUPRでも指摘されているように、拷問の定義が条約と合致していないと指摘した。ブルニ委員は、ノン・ルフールマンの原則が貫徹していないのではないかとし、また監獄職員への人権教育・訓練を強化するよう指摘した。ゲア委員は、過剰拘禁と、民族的出身による差別に焦点を当てた。スヴェアス委員は、家庭や学校における身体刑を取り上げた。マリノ委員は、アフガンに派遣されたベルギー政府と軍関係者が現地の激しい暴力にどのようにかかわっているのかを聞いていた。ワン委員は、UPRでも指摘されたが、移住労働者権利保護条約をなぜ批准しないのかと質問した。