wam編著『日本軍「慰安婦」問題すべての疑問に答えます』(合同出版)――wamとは、<アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」>という長い名前のミュージアムで、2013年「日本平和学会・平和賞」を受賞した。日本軍「慰安婦」問題を中核に、武力紛争時における女性に対する暴力問題をあつかう。本書は、wamが2007年に開催した「中学生のための『慰安婦』」展に際して制作したカタログがもとになっている。第1章「日本軍『慰安婦』制度の仕組みと実態」、第2章「『慰安婦』制度の被害と実態」、第3章「日本政府の対応と各国・国際機関の反応」、第4章「女性国際戦犯法廷とNHK」、第5章「教科書問題と『慰安婦』記述」。150を超える写真、やはり100数十点の資料・図版が収められ、わかりやすい解説がついている。中学生のため、だけではなく、「員不」問題に関心を持つすべての人にとって役に立つ本だ。右翼政治家、マスコミ、ネットの書き込みでデマ宣伝が大量に流布されているのに対して、写真と資料をきちんと載せている点が強い批判力となっている。