ニカラグアが人種差別撤廃委員会CERD第107会期に提出した報告書(CERD/C/NIC/15-21. 20 August 2019)
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前回報告書について、『序説』五七二頁。
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憲法は法的多元主義を採用している。憲法第五条は自由、正義、人間の尊厳、多元主義、先住民族のアイデンティティ承認を認め、第五〇条は平等の参加権を定める。憲法第三条は平等と差別、第二七条は出生、国籍、政治信条、人種、性別、言語、宗教、意見、出自、経済状態又は社会的地位による差別を禁じている。
国内人権計画として「カリブ海岸とアルト・ワンギとボケイ発展戦略・計画」がある。先住民族およびアフリカ系住民の諸権利の回復と、すべての形態の人種差別の撤廃をm座している。先住民族やアフリカ系住民の二三地域に伝統的形態の自治権を認めている。すべての者の方の下の平等を掲げ、人種差別の縮減と理解と寛容の促進に努めている。計画は①母なる大地、②コミュニティの調和、③多元的民族、多元的文化、④地域の自律的多言語教育、⑤文化間健康、⑥水と衛生、⑦家族・子ども・女性などを扱う。
コミュニティの調和について、対話、パートナーシップ、合意の文化に基づく生活様式を掲げ、責任を共有する集団的人間的利益を追及している。
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CERDがニカラグアに出した勧告(CERD/C/NIC/CO/15-21. 22December 2023)
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国内法に条約に合致する人種差別禁止規定があるか情報がない。刑法に条約第四条に規定する行為の禁止規定があるか否かの情報がない。犯罪の人種的動機を刑罰加重事由とする刑法第三六条があり、刑法第四二七条は差別を犯罪としているが、人種的動機の差別に言及していない。包括的差別禁止法を制定し、刑法に条約第四条に規定する行為を盛り込むこと。