Tuesday, March 31, 2026

『コリアン・ジェノサイド』出版記念シンポジウム

『コリアン・ジェノサイド』出版記念シンポジウム

関東大虐殺は国際刑法のジェノサイド犯罪に当たります。アルメニア・ジェノサイドやガザ・ジェノサイドと同じレベルの、世界史における出来事です。

実行犯は軍隊、警察、そして自警団の民衆です。国家責任と民衆責任を解明する必要があります。

それでは主犯は誰でしょうか。最高責任者は誰でしょうか

前田朗『コリアン・ジェノサイ』出版を契機に、ともに考えましょう。

 

前田朗『コリアン・ジェノサイド――関東大虐殺の法的考察』(三一書房)

https://31shobo.com/2026/02/26000/

 

530(土) 午後6時開場、開会630分~830

東京ボランティア市民活動センター会議室

JR飯田橋駅隣ビル10階)

参加費:500

<パネリスト>

uhiさん(アクティビスト)

山本すみ子さん(関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会代表、『神奈川県関東大震災朝鮮人虐殺関係資料』編者)

安田浩一さん(ジャーナリスト、『地震と虐殺 1923-2024』著者)

司会:前田朗

共催:平和力フォーラム

連絡先:070-2307-1071

E-mail: akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp

小説は事実を超える?

小説は事実を超える?

柴田哲孝『暗殺』(幻冬舎文庫)

 

 安倍晋三元首相狙撃事件をモチーフにした政治サスペンス小説だ。狙撃事件が20227月で、本書出版は20246月でベストセラーになった。20263月に文庫化されて初めて読んだ。

 狙撃事件の時、私は上野動物園でパンダを見ていた。スマホのニュース速報を見て、数人のジャーナリストに電話で事件について話したのを覚えている。事件直後で、情報はほとんどなかったが、単なる狙撃事件ではなく、背後に暗いうごめきがあり、真相は明らかにならないだろうと言うことで、みな一致した。その通りになった。

 狙撃事件に関する警察発表は到底信用できない。あちこち矛盾することは誰もが指摘してきた。にもかかわらず、政治的にも刑事裁判でも、警察のシナリオ通りに進んでいる。

 批判的に検証しようとする動きもあったが、おおむね「陰謀論」の名の下に退けられた。本書も「陰謀論」の一種とみなされるだろうが、そのことも踏まえて、あえて状況設定がなされている。赤報隊事件との繋げ方はなかなかの趣向だ。

 柴田哲孝の本は下山事件について2冊読んだ。1冊はノンフィクション、もう1冊は小説だ。どちらもすぐれた作品だった。他の作品を読んだことがないが、ミステリー、サスペンス、政治小説、社会派小説など多彩な作品を送り出しているようだ。

Sunday, March 29, 2026

 琉球民族遺骨返還を求める

研究者は「日本人優秀論」「日本人起源論」のために琉球民族の墓を暴き、遺骨を盗みました。

京都大学に続いて、東京大学に遺骨の返還を求める運動が続いています。

他人・他民族の墓を暴き遺骨を盗む学問とは何でしょうか。

学問研究の名における植民地主義と差別を改めて問う必要があります。

5月23日(土)18時開場、1830分開会~2030

東京ボランティア市民活動センター会議室

JR飯田橋駅隣ビル10階)

参加費:500

 

東京大学遺骨返還請求問題の現在

松島泰勝(龍谷大学教授)

遺骨から見た日本植民地主義

前田朗(東京造形大学名誉教授)

共催:平和力フォーラム

琉球人遺骨返還を求める会/関東

連絡先:070-2307-1071E-mail: akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp

Friday, March 27, 2026

インタヴュー講座 脱植民地主義のために(第3回)

インタヴュー講座

脱植民地主義のために(第3回)

敗戦80年の今日、日本の政治社会は過去の侵略戦争と植民地支配を忘却し、日本人の戦争被害だけを語ります。歴史の風化と浸蝕が進んでいます。しかし、植民地主義は過去の歴史ではなく現在の「日本問題」です。過去を問い直しながら現在と将来の課題に挑む必要があります。

今回は、日本軍性奴隷制(慰安婦)問題の歴史と現在を象徴する「平和の少女像」を通じて、日本の植民地主義を再考します。

◉日時:5月16日(土) 午後6時半~8時半(6時開場)

◉会場:東京ボランティア市民活動センター(飯田橋RAMLA10階)

参加費:500

「平和の少女」が見た世界、

世界から見た日本

〜ドイツ報告を中心に

岡本有佳さん

*講師プロフィル: 編集者。「表現の不自由展・東京」共同代表、Fight for Justice日本軍「慰安婦」問題サイト理事。編著に『《自粛社会》をのりこえる――「慰安婦」写真展中止事件と「表現の自由」』(共著、岩波ブックレット)『歴史は強者ファーストか?──日本社会にはびこる歴史否定を世界的に考える』(共著、岩波ブックレット)『あいちトリエンナーレ「展示中止」事件――表現の不自由と日本』(岩波書店)、『表現の不自由展からの挑戦――消されたアートと対話する12のヒント』(梨の木舎)『〈平和の少女像〉はなぜ座り続けるのか』(世織書房)『弾劾可決の日を歩く私たちはいつもここにいた』(タバブックス)など。

*主催:平和力フォーラム

連絡先:07023071071(前田)

E-mail:akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp

奴隷条約100周年(03)

奴隷条約100周年(03

 

326日、国連総会が奴隷制に関する決議を採択しました。

奴隷貿易への賠償求める決議、国連総会が採択 日本は棄権、米国反対

https://www.asahi.com/articles/ASV3V0FYTV3VUHBI033M.html?msockid=39656b98262d63d91b7179fe27c76213

1990年代、国連国際法委員会で、「植民地支配犯罪」を国際犯罪にしようとしましたが、旧宗主国等の反対で挫折しました。

2001年のダーバン会議の時、第3世界諸国は「植民地支配は人道に対する罪だった」と頑張りましたが、最終文書のダーバン宣言では「植民地時代の奴隷制は人道に対する罪だった」にとどまりました。

https://www.hurights.or.jp/wcar/J/govdecpoa.htm

今回は、同じことを国連総会で決議した上で、賠償と謝罪の具体的取り組みを求めた点が重要な成果と言えます。

この間、ダーバン宣言のフォローアップ作業が、先進諸国のサボタージュのため、進みませんでした。

国連ウエブサイトから簡潔に紹介します。

「国連決議は、奴隷制という『歴史的悪行』に賠償を促した」

ガーナが提出した決議に賛成123、反対3(アルゼンチン、イスラエル、アメリカ)、棄権52(日本も棄権)

ガーナ大統領ジョン・ドラマニ・マハマは、アフリカ54カ国を代表して、「今日、真実を確認し、癒しと賠償の正義への途を追求して厳粛に連帯しています」と述べた。

「盗まれ、縛られ、船積みされた」

400年もの間、アフリカから数百万の人々が盗まれ、縛られ、新世界へと船積みされ、綿、砂糖、珈琲園で働かされた。人間性を否定され、名前を奪われ、搾取され、黒人に対する人種主義と差別が今日まで続いている。

決議は「奴隷にされたアフリカ人の取引は人道に対する最も重大な犯罪である。規模、期間、組織的性格、残酷さは世界史に特筆される。

「奴隷制の被害者のスピリットは、いまこの瞬間、この会場に、ある。彼らが耳を傾けているのはたった一つの言葉、正義である」と、バルバドスの栄誉ある詩人エスター・フィリップスは述べた。

アメリカの反対理由は、国連の任務は国際の平和と安全保障であって、個別の課題ではない。当時の国際法に下では違法でなかった歴史的悪行についての賠償の権利は認められない、というものである。

国連総会議長のアナレナ・ベルボックは、国連憲章と世界人権宣言に注意を喚起した。

国連事務総長アントニオ・グテーレスは、奴隷制の継続する遺産として不平等と人種主義に言及した。

「賠償の正義なしに平和はない」

バルバドスの詩人エスター・フィリップスは、自分の詩を朗読し、「奴隷制の被害者のスピリットは、いまこの瞬間、この会場に、ある。彼らが耳を傾けているのはたった一つの言葉、正義である」と述べた。

Wednesday, March 25, 2026

反差別連続講座第7回 フェミサイドと闘うグローバルサウス・フェミニズム

反差別連続講座第7

フェミサイドと闘うグローバルサウス・フェミニズム

前田 朗

5月9日(土)13201630 開場1300

浦和コミュニティセンター第13集会室

JR浦和駅東 浦和パルコ上10F

参加費800円 学生・障がい者500

今回のテーマは「フェミサイド」。

日本ではほとんど聞きなれない言葉ですが、日本軍「慰安婦」問題や沖縄米軍兵士・性暴力事件をフェミサイド(植民地主義、家父長制、女性に対する暴力)の視点で考えます。

欧米にはフェミサイド刑法がありますが、日本ではあまり議論されていません。

<参考文献>

①前田朗「フェミサイド研究のために――ラテンアメリカのフェミサイド刑法の紹介」『女性・戦争・人権』23号(2024年)

②前田朗「フェミサイド処罰の世界の動き(一)(二)」『マスコミ市民』683号・684号(2026年)

③前田朗「植民地主義とフェミサイド」『部落解放』880号(2026年)

主催: 外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉

協賛: ヘイトスピーチ禁止条例を求める埼玉の会

子どもの人権埼玉ネット

朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会

問合せ:080-1245-3553(斎藤)

シオニズムの広さと深さと不可解さ

鶴見太郎『シオニズム――イスラエルと現代世界』(岩波新書)

https://www.iwanami.co.jp/book/b10151794.html

 

 それなりに知っているつもりだったが、どうやら随分と違うようなので、本書を手にした。その通り、知らないことがたくさん書かれている。これまでのシオニズム観は英語文献に依拠した、西欧のシオニズム観だ。しかし、ロシア東欧圏のシオニズムを無視しているため、極めて一面的だ。鶴見はロシア東欧圏のシオニズムを詳しく紹介して、全体像を提示しようとする。シオニズムの歴史的地理的広がり、思想の深まりと変遷が詳しく描かれる。

「イスラエルはなぜ国際的に孤立してまで、パレスチナ人を徹底して攻撃するのか。パレスチナにユダヤ人の民族的拠点をつくるという思想・運動である「シオニズム」。ホロコースト以前に東欧で生まれ、建国後もイスラエルを駆動し続ける思想の起源と変遷を、国際社会とのかかわりの中で描く。現代世界を読み解くために必携の書。」という宣伝の通り、非常に詳細な、しかもバランスの取れた記述で、シオニズムについて知り、理解することができる。

 ここまで知らなくてはならないのか、と思いながら読み進めることになる。しかも、本書を読みえ終えても、実は「イスラエルはなぜ国際的に孤立してまで、パレスチナ人を徹底して攻撃するのか」は、わかったようで、わからない。考えようによっては、ますますわからなくなる。それは良くあることだ。どの思想運動についてもいえることだ。優れた著作は、実に多くの事を教えてくれるし、考えさせてくれる。そのため、考えたことのなかった疑問がまた生まれて来る。永遠の謎かもしれない。

 ネタニヤフという一人の政治家の生理と病理を理解するために本書は最良のテキストだが、読み終えた途端、ネタニヤフの理解が困難になる。

 しかも、イスラエルは、パレスチナ人を徹底して攻撃するだけではない。今やイラン人を攻撃している。イスラエルは人類そのものへの憎悪に突き動かされているのではないかと思いたくなるような現実が目の前にある。鶴見には次々と著書を送り出してもらわないといけない。