Sunday, September 20, 2026

記憶と平和のための日韓市民ネットワーク1923コンファレンス

 記憶と平和のための日韓市民ネットワーク1923コンファレンス

 

1923関東特別法施行の準備と記憶・連帯の新たな方向」

1012日午前930分から18

会場:記憶と平和のための1923歴史館

(韓国・天安市東南区)

主催:1923韓日・在日市民連帯

お問い合せ:記憶と平和事務局0415521923

 

基調報告:韓国の特別法委員会による関東虐殺の真相究明と被害確認の課題

セッション1:関東各地域における調査成果と課題(東京・千葉・神奈川・埼玉・群馬)

セッション2:関東ジェノサイドの世界史的意味と記憶継承ネットワーク

総合討論:2026年特別法施行の準備と今後の連帯の方向

 

主な報告

韓国の特別法委員会による関東虐殺の真相究明と被害確認の課題/金廣烈

東京都における虐殺の実態と追悼・真相究明活動/西崎雅夫

千葉県における虐殺の実態と追悼・真相究明活動/洪世峨

神奈川県における虐殺の実態と追悼・真相究明活動/山本すみ子

埼玉県における虐殺の実態と追悼・真相究明活動/関原正裕

群馬県における虐殺の実態と追悼・真相究明活動/秋山博

ジェノサイドの観点から見た1923年関東虐殺/前田朗

差別・憎悪・排除に抗する世代間の実践的連帯/梁大隆

高麗博物館における関東虐殺展示の経験と課題/吉村正

第14回国際人権入門講座「人権が危ない、国際法は無力か」

14回国際人権入門講座「人権が危ない、国際法は無力か」

 

講師:前田 朗(東京造形大学名誉教授・当日本委員会代表委員)

日時:10月10日(土)14:00~16:00

会場:青山学院大学青山キャンパス・10号館2階22会議室

(最寄り駅:JR渋谷駅から徒歩10分,地下鉄表参道駅から徒歩5分)

資料代:500円

 

国連憲章第2条4項は武力行使を禁じていますが、世界各地でこの国連の最も重要な原則が乱暴に踏みにじられています。

また、トランプ政権による国際刑事裁判所(ICC)の赤根所長に対する制裁やICCの解体が叫ばれている状況の中、「もう国際法は無力だ」という言説も強まっています。

しかし本当にそうなのでしょうか。国際法は私たちの人権を守るうえで、今も重要な役割を果たしているのではないでしょうか。

今回は長年に渡り刑事法学者として人権問題に取り組んでおられる前田朗さんを講師にお招きし、国際法の本当の姿について講演していただきます。

是非、皆さまのご参加をお待ちしております。

 

主催:国際人権活動日本委員会(JWCHR

反差別連続講座第10回 追悼する権利

反差別連続講座第10回(最終回)

追悼する権利

----個人の追悼と国家の英霊

 

116日(金)1815分~2030分、開場18

浦和コミュニティセンター第14集会室

講師:前田 朗

参加費800円、学生・障がい者500

 

★長生炭鉱海底坑道から引き揚げられた遺骨は植民地支配の悲劇の証拠であり、遺族にとっては慰霊の対象です。

★研究者がアイヌ民族や琉球民族の墓を暴いて盗んだ遺骨を隠匿してきましたが、先住民族の慰霊の対象です。

★靖国神社は植民地出身者を「英霊」に祀り上げていますが、遺族の慰霊を妨げるものです。

国際人権法でも記念する権利、記憶する権利、そして喪に服す権利の議論が続いています。追悼する権利について考えてみましょう。

 

主催: 外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉

協賛: ヘイトスピーチ禁止条例を求める埼玉の会、子どもの人権埼玉ネット、在日本朝鮮民主女性同盟埼玉県本部、朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会

 

問合せ:080-1245-3553(斎藤)

Friday, September 04, 2026

歴史否定・歪曲との闘い04

歴史否定・歪曲との闘い04

 

バーナード・デュハイメ「真実・正義・補償・再発防止特別報告者」報告書(A/HRC/63/25. 6 July 2026)の紹介。

Ⅴ 否定主義の古典的形態と現代的形態及びその影響

A 権威ある説明の信用毀損、過去の侵害の賛美及びその他の逆行的措置

B 否定の手段としての移行期の正義の模倣

C 否定主義denialismと記憶の法の改竄

D テクノロジーを用いた誤情報

現代の技術の発展、AIシステムとソーシャルメディアは、失踪した人を探し、真実を回復し、記録し、被害者やサバイバーを動員するのに重要な手段となっている。しかし、これらの技術発展は、移行期の正義が否定主義に対処するのに障害となることもある。

スーダンでは、テレグラム、フェイスブック、Xなどのプラットフォームが、否定主義のための主要な領域となっている。スーダン武装勢力などは、敵対民族の日人間化、記録された内容の否定、安全保障を理由とする暴力の正当化のコンテンツを流布し、甲州を混乱させ、暴力に火をつけている。同様に、日本では、いわゆる「慰安婦」制度のサバイバーが、その証言に対して、否定主義とハラスメントのデジタル・キャンペーンを経験している。日本の極右集団は、オンラインやメディアで、サバイバーを標的にしている。

これらの否定主義は、プロパガンダ目的や、説明責任、真実、補償をもとめる努力を妨げるために行われる。例えば、イスラエルの高官が飢餓の戦争犯罪に関連してICCから逮捕状が発布されるや、2025年夏のガザにおける飢餓について、これはフェイクであり、パレスチナ人、国際団体、外国メディアが虚偽のイメージをつくり出したと応じた。同様に、ロシアは、ウクライナにおける戦争犯罪の責任を否定するために、偽造された死体写真が利用されたと主張した。

デジタル・プラットフォームはアルゴリズムによって運営されているので、衝撃的なコンテンツやミスリーディングなコンテンツが一般化し、感情的な訴えが強まる。過去の人権侵害について否定主義の語りが力を得て、流布される。ソーシャル・メディアは、分極化にインセンティブを与えがちである。

否定主義の言説はAIに関連している。AIは、裁判や真実委員会などの移行期の正義メカニズムの所産である資料や記録を利用できるよう下。しかし、多くのデータが不適切に、一貫性のない形で放置されている。AIは偏見に満ちたデータ設定をしてしまい、中立性や権威性を伴いながら、実際は歴史の現実を歪める。文書の意味を矮小化し、相対化する。こうした議論が真実に基づいた議論を凌駕する。

AIによるディ―プフェイクも見られる。ディ―プフェイクは、なかったことを実際に起きたと思わせる。句集に疑惑や不信を植え付け、過去の人権侵害にも疑念を抱かせる。否定主義者は、デジタル・コンテンツによる人々の懐疑を利用して、実際に遭った侵害を否定する。

E 否定主義、不処罰、和解

否定主義は、国家が過去の人権人道法違反について恩赦、赦免その他の不処罰を適用する際に用いられる戦略の一部である。過去の人権侵害を否定し、矮小化し、正当化する語りによって遂行される。

例えばチリの独裁者アグスト・ピノチェトは、1978年に事実上の自己恩赦を行い、「さらなる国家の統合」「赦し」をを唱えた。スペインでは、フランコ独裁に関連して同様の恩赦と不処罰が試みられ、「国民的和解」「赦し」が語られた。体制による侵害についての事実を否定し、失踪した人々の探索はなされなかった。

イギリスでは、2023年、北アイルランドに関連して条件付き恩赦を行った。紛争に関連する捜査を終結させ、司法手続きも終了した。

Thursday, September 03, 2026

歴史否定・歪曲との闘い03

歴史否定・歪曲との闘い03

Ⅴ 否定主義の古典的形態と現代的形態及びその影響

A 権威ある説明の信用毀損、過去の侵害の賛美及びその他の逆行的措置

B 否定の手段としての移行期の正義の模倣

否定主義者の言動は、移行期の正義プロセスを歪めようとする。国家による不処罰を正当化し、説明責任を妨げ、過去の人権侵害についての真実を認定することを妨げようとする。否定主義を支持する政治家は、移行期の正義の裏に隠れて、記憶を抑圧し、否定を助長しようとする。

例えば、南アフリカ真実和解委員会の仕事が、2022年二イギリス政府による恩赦を合理化し正当化するのに歪んで用いられた。ボスニア・ヘルツェゴヴィナでは、スレブレニツァにおけるジェノサイドに関する旧ユーゴスラヴィア国際法廷の事実認定を否するのに利用された。スルプスカ共和国政府が実施した調査は、スレブレニツァで行われた犯罪はジェノサイドに該当せず、3000人の死者は全員戦闘員であったと述べている。国連総会は、2024523日の決議で、1995年のスレブレニツァ・ジェノサイドを反省し記憶する国際デーを711日とした。

C 否定主義denialismと記憶の法の改竄

否定主義に対処する法律を制定した国もあるが、多くの諸国は、差別とヘイト・スピーチを禁止し、ホロコーストなどに関する記憶法に依拠している。だが、国家は残念なことに否定主義を助長してしまうことがある。多くの法律が国際人権規範に合致していない。

例えば、ルワンダは2012年に基本法を導入して、ジェノサイド関連犯罪に対処し、ジェノサイド行為を犯罪化した。しかし、平和的集会結社に関する特別報告者は、当該法律の一部条項が平和的集会結社の自由の享受を妨げていると指摘した。同様に、2025年、ロシアにおける人権状況特別報告者は、「ナチス復興」に関する刑法規定が2024年に52名の有罪宣告を見たが、2024年、モスクワのグラグ歴史博物館が閉鎖された。ソヴィエトの歴史を歪める国家の修正主義の反映である。ポーランドでは、記憶法が修正され、ポーランドの名前音ポーランド国民を保護するとしているが、反ユダヤ死後のポグロムに関与した事案に関わる。特別報告者は、2023107日のイスラエルの虐殺事件否定禁止法にも同様の懸念を表明した。歴史の「真実」について国家が解釈し、思想の表明を処罰するもので、意見表現の自由を制約している。

名誉毀損、反乱煽動、国家安全法は、過去や現在の事件について批判的に表現することを抑圧してきた。移行期の正義に対する委縮効果を生み出し、真実と記憶への権利を弱体化させ、表現の自由を侵害する。ガンビアでは、2025年の情報コミュニケーション法が、正当な論評と有害な煽動の区別にギャップとなり、被害者やジャーナリストをオンライン・ハラスメントから保護できていない。

歴史的出来事に関する表現を犯罪化する法規が広範すぎると、市民的領域に脅威となる。ポストトゥルース時代にあって、検閲や抑圧だけでなく、恐怖や敵意のため自己検閲を余儀なくされ、発話がより困難になる。

「新しい戦前にさせない」連続シンポジウム第20回 税金20兆円/年を喰らう「死の商人」

共同テーブル/「新しい戦前にさせない」連続シンポジウム第20

税金20兆円/年を喰らう「死の商人」

20兆円? 誰の懐に? 「年単位の継戦能力」? 9条が泣く「落ちぶれた国」

1015()1830分(開場18時)

文京区民センター3A

資料代:1000

主催:共同テーブル

・総合司会:杉浦ひとみ(弁護士)

・挨拶:佐高信(評論家)

問題提起

・「安保三文書」「骨太方針」と死の商人/纐纈厚

・軍拡はAIから始まる/内田聖子

・「死の商人国家」のアキレス腱/杉原浩司

・コーディネーター/竹信三恵子

共同テーブル:

藤田09088085000、石河09060445723

Monday, August 24, 2026

歴史否定・歪曲との闘い02

歴史否定・歪曲との闘い02

・欧州の歴史否定犯罪法について

前田朗『ヘイト・スピーチ法研究序説』(三一書房、二〇一五年)第10章「ヘイト・スピーチ法の類型論」第5節「歴史否定犯罪(アウシュヴィツの嘘)」

前田朗『ヘイト・スピーチ法研究要綱』(三一書房、二〇二一年)第11章「ホロコースト否定犯罪を考える」第3節「「法と記憶」をめぐる論争」

・韓国の「慰安婦」否定犯罪法について

前田朗「日本軍『慰安婦』否定発言規制法」『月刊社会民主』八五四号(二〇二六年)

・新書本では下記が重要。

武田彩佳『歴史修正主義』(中公新書、二〇二一年)

 

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国連人権理事会第63会期に提出された、バーナード・デュハイメ「真実・正義・補償・再発防止特別報告者」報告書(A/HRC/63/25. 6 July 2026)の紹介。

目次

Ⅰ 序文

Ⅱ 特別報告者の活動

Ⅲ 一般的検討

Ⅳ 国際基準の遵守

Ⅴ 否定主義の古典的形態と現代的形態及びその影響

Ⅵ 否定主義に対処する:鍵となる検討

Ⅶ 結論

Ⅴ 否定主義の古典的形態と現代的形態及びその影響

 

A 権威ある説明の信用毀損、過去の侵害の賛美及びその他の逆行的措置

B 否定の手段としての移行期の正義の模倣

C 否定主義denialismと記憶の法の改竄

D 技術を用いた誤情報

E 否定主義、不処罰、和解

F 否定主義、分極化、文化戦争

G 否定主義と周縁化

A 公権的説明の信用毀損、過去の侵害の賛美及びその他の逆行的措置

 1980年代から1990年代初頭、移行期の正義の議論が始まったが、その後、過去の事実についての認識が徐々に変化してきた。記憶と言うものは必ずしも直線的ではなく、往還したり変容したりする。このためdenialismも、移行期の一時点ではなく、長期的なサイクルの中にある。

 移行期の正義は、裁判所の判決や真実委員会の報告書によって終わらない。時を超え、世代を超えて継続する。長期に及ぶプロセスのため、初期の段階の真実追及や解明が、そのまま維持されるとは限らない。記憶が政治化される。否定主義者が採用する逆行的手段には多様なものが含まれる。①過去の人権人道法違反についての確立した真実や司法による認定を否認する、②実行犯を賛美し、過去の犯罪を消し去る、③記憶のシンボルや施設を撤去する、④関連する記憶計画の予算を停止する、⑤教育内容や歴史記憶を逆転させる、⑥事実上の障害や法的障害を持ち込み、被害者認定を妨げる、⑦被害者や人権擁護者に烙印を押し、迫害する、⑧移行期の正義機関を解体する、⑨再発防止を弱体化させるような法改正を行う。

 否定主義者の努力が、移行期の正義過程の耐久性に脅威となり、暴力の再発のリスクをつくりだす。国際人権法によって提供されたように、国家は逆行的な措置や政策を取らないようにしなければならない。

 アルゼンチンでは、1976年から1983年の軍事独裁期の人道に対する罪について、現政権が新しい立場にシフトしてきた。強制失踪委員会及び国際人権機関の報告書の影響として確立していた立場に変化が見られる。人道に対する罪の刑事訴追を促進する国家の役割を縮減するもので、行方不明者を捜索する移行期の正義機関を解体し、被害者補償・支援メカニズムを弱体化させている。否定主義が助長され、過去の侵害を美化ししている。

 ブラジル政府は、2018年から2022年、軍事独裁について確定した記憶を書き替える試みがなされた。政府と政治家が否定主義言説を助長し、国家機関による拷問をほめたたえている。軍事クーデタを記念し、国家真実委員会の正当性に疑問を挟もうとしている。

 ペルーでは、1980年から2000年の間の内戦における国家による人権侵害に関する真実和解委員会の認定を覆す試みがなされている。名誉毀損、破壊行為、暴力煽動が、これらの犯罪の記憶を損ねている。否定主義者の努力が、恩赦法や時効という手段に結びついている。

 デュハイメの前任者はセルビア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴヴィナを訪問し、戦争犯罪の賛美、残虐犯罪の否認に警鐘を鳴らした。

 ガンビアでは、政治家や前政権担当者たちが、真実和解補償員会の勧告に抵抗している。独裁政権下の残虐行為を小さく見せ、国家の擁護のためだったと特徴づけようとしている。

 インドネシアでは、国家公務員による否定主義言説が登場し、重大人権侵害を惹き起こしたスハルトの支配を賛美し、「国家英雄」にしようとしている。