Wednesday, October 16, 2024

『お笑い維新劇場 大阪万博を利用する「半グレ」政党』

『お笑い維新劇場 大阪万博を利用する「半グレ」政党』

https://books.rakuten.co.jp/rb/17919500/?msockid=39656b98262d63d91b7179fe27c76213

 

日々不祥事と暴言を量産する維新の会。

利権真っ黒の正体、「公」を切る改悪、セクハラ、ストーカー、ネコババ、さらに殺人未遂まで……?! そのやりたい放題の実態から、大阪と日本を揺るがす万博問題、さらにそれに連なるカジノ利権まで、

百戦錬磨の評論家と維新ウォッチャーのジャーナリストが語り合う。

維新のあきれはてた本性を、

笑いながら怒る!!

辛口評論家・佐高信と、『万博崩壊 どこが「身を切る改革」か!』の西谷文和による対談である。

冒頭と終わりに2回、「維新不祥事ワースト10」が登場する。つまり、維新は不祥事だらけだ。

冒頭のワースト10では、10位が北方領土問題でお騒がせの「丸山穂高」、9位は猪瀬直樹、8位は監禁事件を引き起こした守口市議、7位は松井一郎、6位はイソジン吉村、5位は嘘つき橋下徹、4位は愛知県知事リコール署名偽造事件だ。トップ3は本書を見てほしい。

とにかく維新は酷い。

信じがたい嘘と犯罪の維新を、佐高と西谷は実名告発する。

見出しの一部を引用する。

松井一郎――口利きビジネス・裏口入学

「ネコババ」代表・馬場伸幸

「うそ」が得意の中条きよし

ストーカー・不適切発言

人権侵犯・ヘイトの多い維新

嘘と税金無駄使いの万博も悲惨だ。

そこに吉本興業がからんでくる。社長はダウンタウンの元マネージャー。万博とカジノがからんでいる。

吉本のタレントは維新の悪口は言わず、忖度する。

いまはメディアから消えている松本人志もその一員だ。

佐高と西谷は維新を笑い飛ばす。

これを読んで、大阪のお笑いの変質が、よくわかった。

かつて、大阪のお笑いは、自分をさらけ出しながら、東京の権力を笑い飛ばした。

しかし、ダウンタウンの笑いは、弱い者いじめの笑いだろう。

下を向いて、他人を貶めて、笑う。いつのまにか、それが大阪の笑いになってしまった。

人志と吉本が、維新にコバンザメのようにくっついたのも、よくわかる。

吉本が、大阪の笑いを取り戻す日は来るだろうか。

悪質な維新が、なぜ関西でいまだに人気なのか。

その答えは、佐高と西谷によると、関西ディアが維新の提灯持ちに成り下がっているため、事実がきちんと報じられないからだと言う。本書の随所で語られている。

最後に、ワースト10がもう一つ紹介されている。

笑えない悲劇だが、とにかく笑って、維新を撃ち落とすしかない。

脱植民地化の思想 高橋哲哉さんに聞く イスラエル・パレスチナとウクライナ戦争

脱植民地化の思想 高橋哲哉さんに聞く

イスラエル・パレスチナとウクライナ戦争

 

222月からのロシアによるウクライナ戦争、2310月からのイスラエルによるガザ攻撃、レバノン攻撃――現代世界の戦争や紛争の悲劇の一因に<植民地主義>があります。

それはいかなる植民地主義なのか。その克服にはどうすればよいのか、ともに考えませんか。

植民地主義を克服するための思想的営みが求められる現在、脱植民地化の思想を紡いできた高橋哲哉さんに、前田朗がインタヴューします。

2回 イスラエル・パレスチナとウクライナ戦争

◉日時:127() 開場午後130分、開会午後2~4時30

◉会場:北とぴあ1601会議室

地下鉄南北線・王子駅下車5番出口直結

JR京浜東北線王子駅徒歩2

◉参加費(資料代含む):500

★高橋哲哉さんプロフィル:哲学者。東京大学名誉教授。著書に『逆光のロゴス』(未来社)『記憶のエチカ』(岩波書店)『戦後責任論』(講談社)『靖国問題』(ちくま新書)『犠牲のシステム―福島・沖縄』(集英社新書)『沖縄の米軍基地』(集英社新書)『日米安保と沖縄基地論争――〈犠牲のシステム〉を問う』(朝日新聞出版)など多数。

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3回 現代欧州の歴史認識を問う(252月1日予定)

4回 日本と東アジアの現状を問う(254月予定)

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主催:平和力フォーラム

電話070-2307-1071

E-mail: akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp

Friday, October 11, 2024

「<共同声明>杉田水脈氏は衆議院議員にふさわしくありません」の経過と成果

「<共同声明>杉田水脈氏は衆議院議員にふさわしくありません」の経過と成果

                               20241012日、文責:前田朗)

 

1 はじめに――目的100%完全達成

 

私たちは107日にオンライン署名「<共同声明>杉田水脈氏は衆議院議員にふさわしくありません」を立ち上げました。そして1010日に参議院議員会館で共同声明をアピールする集会を開きました。

報道によると、1010日夜、杉田水脈氏は今回の総選挙に不出馬となったとのことです。

共同声明の主要目的は杉田氏を選挙に出馬させないことですから、目的は100%完全に達成されました。

急遽選挙が始まることになって準備を進めたこの署名は多くの方から圧倒的賛成をいただき、呼びかけ開始3日目に賛同が1万筆を超えました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

レイシスト政治家を選挙に出馬させない、そのために政党に要請行動をするという運動は、従来、あまり取り組まれてこなかったと思います。今回、非常に多くの方から、「こういう署名運動を待っていた」「どうしてこういうことをしてこなかったのか」というご意見を頂きました。

今後、市民運動・平和運動として、レイシスト政治家、好戦的政治家、憲法違反の政治家を選挙に出馬させない運動、出馬した場合には落選させる運動をどのようにつくっていくかを考える必要があると思います。そこで、私たちの共同声明の経過や成果について、若干ご紹介しておきます。

 

2 関連報道

 

杉田水脈氏、比例公認せず 自民、上杉氏も優遇困難

https://www.tokyo-np.co.jp/article/359689?rct=politics

杉田水脈を公認するな!

https://note.com/kuwa589/n/na14fe04484ac

紀藤正樹弁護士「やはり」杉田水脈氏を衆院選比例単独名簿に登載せず 安倍派の裏金議員優遇困難

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202410110000243.html

自民党〝裏金女性議員〟に明暗 丸川珠代氏は公認も杉田水脈氏は「不出馬」へ

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/photo/319779

自民・杉田水脈前衆院議員が次の衆議院選挙に出馬しない意向固める|TBS NEWS DIG

https://www.youtube.com/watch?v=hM83-AtHC9o

杉田水脈氏に「国会議員の資格なし」 衆院選を控え問われる自民党の人権感覚、公認しないよう学者らが気炎

https://www.tokyo-np.co.jp/

衆院選で杉田水脈氏の非公認求める 研究者が声明発表「人権侵害の常習者」

https://www.kanaloco.jp/news/social/article-1116745.html

杉田水脈氏は参院“鞍替え”出馬か? 衆院選辞退でも「差別発言」「裏金事件」の反省ナシ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/361829

<動画>

UPLAN【共同声明】杉田水脈氏は衆議員議員にふさわしくありません 

https://www.youtube.com/watch?v=NvpcHytqVhs

 

3 共同声明の経過

 

共同声明のきっかけは、ダーバン+20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン(下記参照)という小さなグループの実行委員の相談から始まりました。

民族や性的指向などの属性を標的として差別発言と名誉毀損を繰り返してきた、レイシズムの塊のような政治家が、何一つ反省することなく、また選挙に出馬することを放置しておいてよいのか。何かできることはないか。

104日の会議に参加していた実行委員(藤岡美恵子、前田朗、矢野秀喜、一盛真、渡辺美奈)の話し合いを受けて、105日に共同声明文案を前田が起草し、67日に呼びかけ人を募りました。石破首相による衆議院解散が迫っていましたので、慌てて準備を始めたのが実状です。このため声明文は必ずしも十分なものではありません。他にも呼びかけ人に加わっていただける方が多数いらしただろうと思います。

しかし、事態は急を要しましたので、107日夜に見切り発車で、オンライン署名(Change.org)を呼びかけました。

そこから1010日午後まで、実質3日に満たない期間に1万筆を超える賛同を頂きました。

1010日午前に自由民主党本部にEメールで共同声明の申し入れをしました。

1010日午後に参議院議員会館会議室で共同声明をアピールする集会を開催しました。

その後、Change.orgのサイトで、共同声明は「一時停止」の扱いとなりました(この点は後述します)。

*ダーバン+20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン

https://durbanplus20japan.blogspot.com/

 

4 ヘイト・スピーチを許さない

 

差別とヘイトの被害者にとって、レイシスト政治家の選挙出馬はあまりにも大きな恐怖と不安の原因となっています。

共同声明の準備過程で、これまで杉田氏から被害を受けた方にご相談したところ、「声明に賛同だが、呼びかけ人に名を出せない」「トラウマになっているので集会に参加して発言するのは控えたい」とおっしゃっています。

杉田氏による差別発言、ヘイト・スピーチ、激しい誹謗中傷がどれほどの被害を生み出したことでしょうか。

「ヘイト・スピーチの沈黙効果」という言葉があります。マジョリティによる差別発言は、マイノリティの人間の尊厳を傷つけ、アイデンティティを標的とし、抵抗する力を奪い、沈黙に追いやるのです。勇気を奮って被害を訴えても、マジョリティの多くが無関心で、差別やヘイトを放置している社会では、差別被害者は沈黙するしかありません。

ヘイト・スピーチは標的とされたマイノリティの発言権を奪い、社会参加を否定します。差別とヘイトは社会を壊し、民主主義を壊します。

マジョリティの一員こそが差別とヘイトに反対する責任があります。レイシスト政治家を批判することは私たち自身のためであり、社会を守るため、民主主義を守るために必要です。

 

5 共同声明の影響・結果

 

極めて短期間の準備でしたが、共同声明は非常に多くの方から歓迎され、賛同していただきました。

コメント欄を見ると、多数の方が声明に賛同しただけではなく、「レイシストを政治家にするな」「杉田氏は公人として失格である」「自民党は公認するな」というコメントが溢れました。

X(旧ツイッター)やFacebookなどSNSでも、声明を紹介・転送・共有していただきました。そこでの書き込みを見ても、差別に対する怒り、無責任な政治家に対する批判が多数見られました。

多くの市民が必要性を感じていた反差別と人権擁護の運動の一つの形として、共同声明には大きな意味があったものと考えます。

共同声明が自由民主党の候補公認決定に影響を与えたか否かはわかりません。

ただ、杉田氏に大いに影響を与えたことは明白です。X(旧ツイッター)上で、杉田氏は私たちの共同声明に対して2度にわたってコメントをして、非難しています。市民の意思表示を無視できず、上から目線で非難を繰り返す振る舞いはレイシスト杉田氏の本領発揮と言えるかもしれません。

杉田氏は「あなた方がいくら騒ごうが、私にはなんの影響もありません!」と毒づいていますが、影響がないのなら無視すればよいのです。自民党山口県連から党本部への推薦がなされたにもかかわらず、公認決定がもつれ込み、「保留」となり、最後は「公認辞退(不出馬)」となりました。

上記のように、この間、メディアでは杉田氏の公認問題に注目が集まり、報道が続きました。市民とメディアによる監視と批判の結果として杉田氏を不出馬に追い込むことができたのです。

このことを共同声明の大きな成果として確認しておきます。

 

6 「落選運動」問題

 

現在、Change.org上で共同声明を閲覧することができません。

Change.orgには次のように記載されています。

「このオンライン署名は審査中です

このオンライン署名はサイト上での公開が停止されています。ポリシーチームによるコミュニティガイドラインへの違反の有無が審査されています。その結果に基づきページ公開の再開または停止継続が決定されます。今しばらくお待ちください。」

公職選挙法第138条の2に次の条文があります。

「(署名運動の禁止)

138条の2 何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人に対し署名運動をすることができない。」

共同声明が、第138条の2の「投票を得しめない目的をもつて選挙人に対し署名運動」に該当するのではないかが問題となります。いわゆる「落選運動」の禁止です。

1に、私たちの共同声明は、主として自由民主党に「杉田氏を公認するな」と要請する運動です。これは落選運動ではありません。政党に対する要請行動です。

2に、公職選挙法における選挙運動は公示日から始まります。今回の公示日は1015日(予定)です。私たちの共同声明は、選挙運動以前の、政治的表現の自由の行使です。

3に、声明文の中に「この機会に私たちは杉田水脈議員には国会議員になる資格はなく、来たる総選挙において国民の代表者たる国会議員にしてはならないと訴えます」という記載があります。この点が落選を求める署名運動に当たると考える人がいるかもしれません。しかし、これは当たり前の表現の自由の行使です。

なお、公職選挙法の解釈については、下記をご参照ください。

https://iwj.co.jp/wj/open/archives/308570#idx-2

https://news.yahoo.co.jp/articles/c6c68a3d5b0540034b54b2bd22777b86a89a2d03

 

7 おわりに

 

共同声明はすでに目的を100%達成したので、Change.org上での公開停止は大きな問題ではありません。

しかし、今後のいわゆる「落選運動」にとっては大きな問題となりますので、開かれた議論が必要です。

有権者が公職選挙の立候補者の政治的資質をチェックし、論評し、広く呼びかけることは、基本的な政治的表現の自由の行使です。これなくして民主主義は機能しません。

今後、杉田氏は参議院への鞍替えをめざしているとのことです。

私たちは、自由民主党が杉田氏を参議院議員選挙において党の候補者として公認しないよう要請します。

有権者の皆さんに、同様に杉田氏の政治的言動を監視し、その責任を追及するように要請します。

有権者の皆さんに、国際的に有名な悪質なレイシストの差別活動を監視し、抑止するために協力するように呼びかけます。

ジャーナリスト、メディア関係者の皆さんに、差別とヘイトに勤しむ杉田氏及び同様の言動を行ってきた政治家に対する監視を強化するよう要請します。

                                   (以上)