Saturday, December 11, 2021

宗教的ヘイト・スピーチと闘う03

J 否定的宗教ステレオタイプや宗教的憎悪と闘う必要性の理解

これまでに報告した48か国が、否定的宗教ステレオタイプや宗教的憎悪と闘う行動をとった。

コスタリカによると、宗教的不寛容や差別に対する闘いは不寛容の一般的政策の枠内で行われた。

イタリアによると、反差別事務局が宗教的理由による差別現象に対処してきた。2016年、反差別事務局はメディア・インタネット監督官を置き、ソーシャル・ネットワークやメディアの差別を監視している。イタリアはホロコーストの記憶を啓発し、毎年127日のホロコースト被害者の記憶国際デーを記念している。

バーレーンは、201793日、寛容の精神の「バーレーン王国宣言」を発した。201811月、ローマ大学で「信仰の対話と平和共存」に着手した。20193月、市民の価値増進行動計画を採択した。国内人権機関は学校教育課程に市民の価値と人権を導入する改革をした。

ラトヴィアによると、2018~19年、人権、寛容、宗教の多元性を普通教育課程に導入した。

メキシコは、2019年に宗教的多元性の尊重と寛容の国家計画を採択し、20199月、国際平和デーの行事を行った。

パキスタンは、教育課程委員会が、寛容、人権、民主主義のための教育改革を行った。

ボリビアは、教育省が宗教時の自由の尊重促進に責任を有する。教育課程では、価値、スピリチュアル、宗教は世界的視野で教えることとし、先住民族のスピリチュアルの理解を図っている。

トルコによると、教育課程は非差別と統合の基本価値を教育するように改革している。

K 開かれた、建設的な、責任ある討論

メキシコは相互尊重の文化を促進するため宗教間対話の重要性を認識して宗教的多元性の尊重と促進の国内計画を策定した。

カタールによると、ドーハ宗教間対話国際センターが宗教間・文化間対話を進めている。対話と寛容の文化を促進するためにイニシアティヴ、ラウンドテーブル、フォーラム、ラジオ放送を行っている。

スロヴェニアは、文化省宗教共同体事務所が会議、会合を通じて宗教間対話を進めている。

L 公的諸機関が差別をしないための効果的措置

2012年以来報告してきた26か国がこの点で措置を講じた。

キューバ刑法294条は宗教時の自由に対する犯罪について刑罰を加重した。

イタリアは、人権保護と差別予防に関する研修を警察職員に行い、警察学校の教官にも研修している。

ボリビアによれば、人種主義・差別撤廃法は公的機関による差別犯罪を定義し、公務員には差別犯罪を報告する義務を課した。人種主義動機による口頭言葉による攻撃を含む犯罪、人種主義的差別的理由による行政サービス否定、人種主義・差別理由による性的虐待を犯罪とした。

ポーランドは、201920年、司法研修所が刑事手続きにおける文化的多様性のための研修を実施した。裁判官と検察官は国際的な反差別研修に参加できる。

メキシコによれば、宗教問題監督官は宗教的多様性と平和の文化促進のために、国家レベルでも地域レベルでも働いている。

ロシア刑法は、公務員による宗教的理由に基づく差別行為を犯罪とし、行政犯罪刑法は刑事犯罪にはあたらない差別行為について公務員の行政責任を定める。

トルコは、オンブズマンが差別予防原則に従って公的機関を監視している。

M 宗教的自由と多元主義の促進

コスタリカは、ローマ・カトリックを国教としているが、その他の礼拝の自由を保障する。すべての宗教団体が登録している。

キューバによれば、1850の宗教団体が司法省に登録しており、これには教会やアフリカ系住民のスピリチュアル運動も含まれる。

バーレーン憲法は思想、意見、宗教の自由を保障する。スンニ派モスクが452、ジャファリ派モスクが609、教会が19ある。宗教施設の維持を保障する責任は司法省にある。国家人権委員会は宗教時の自由や宗教施設の自由を侵害した事件について管轄する。人権委員会は201920年に拘禁センターを14回訪問調査し、収容者の宗教の自由を確保している。

ボリビアは、2019年に「宗教の自由、宗教団体、スピリチュアル信仰法」を制定し、多元主義、法的平等、非差別を原則としている。宗教団体は外務省に登録している。

ラトヴィアは、2018年の憲法裁判所判決に従って、宗教団体の登録制を無効とした。

メキシコは、宗教の多様性と寛容と尊重の国家戦略を定め、多元主義と宗教の自由を考慮している。

ポーランドによれば、宗教的理由による差別行為を犯罪とし、良心と宗教の自由を保障している。

スロヴェニア憲法は、宗教の自由と宗教団体の平等を保障する。宗教自由法は、宗教団体が法人格を手に入れるための登録制を規制する。人権オンブズマン、宗教団体平等原則擁護者、文化省が宗教の自由と差別問題を管轄する。

トルコは、ムスリムでないトルコ市民が自己の宗教を信仰でき、宗教儀式、財産管理ができるとしている。

ロシア刑法は、宗教団体の活動の違法な妨害、宗教行事の実施の違法な妨害について刑事責任を定める。行政犯罪法は宗教の自由や宗教団体に関する違反事件の行政責任を定める。

Friday, December 10, 2021

非国民がやってきた! 007

三浦綾子『この土の器をも』(新潮文庫)

三浦の自伝「道ありき第二部 結婚編」(1970)であり、闘病に明け暮れた青春時代を描いた「道ありき」に続いて、三浦光世との結婚生活を描いている。

幼馴染で精神的支えであった前川正に死なれたのち、1959年に旭川営林署員だった三浦と結婚、1961年に小説を書き始め、初の短編小説が『主婦の友』に軽視された(林田律子名義)。続いて、朝日新聞社の懸賞小説に応募するため1963年に書きあげた作品が、196412月から朝日新聞に連載され、ベストセラー『氷点』となった。自伝第二部は小説が入賞するまでを描く。三浦綾子は1922年生まれなので、1970年には50歳少し前だが、この時点で自伝の第二部を書いている。かなり早い気もするが、闘病生活や『氷点』のベストセラー化とともに、信仰に生きる三浦綾子の日々の信仰表明でもあっただろう。

貧しい2人は一部屋しかない小さな小さな家で暮らしたが、病後の虚弱な身体での精いっぱいの暮らしを支えたのは光世の愛と信頼、頻繁に訪れる友人知人たち、そして2人の信仰であった。やがて歩けるようになった綾子は雑貨屋を開いたり、2人で教会の部屋を借りて住んだり、苦労しながら歩む。そうした中、図書係として図書の販売に携わりながら、図書を読み続け、やがて小説を書き始める。青春時代から短歌を詠み続けていたが、小説へと転身する。その日々の随想が本書である。

旭川に暮らした三浦は、文壇なるものにはほとんど顔も出したことがなく、他の小説家との交流も決して多くはないが、初めて見た小説家は松本清張だったという。小説を書くのに参考にしたのは、唯一、丹羽文雄の16頁の新聞小説作法であり、あとは独学独習だ。そして1963816日、旭川で松本清張の講演会に聞きに行ったという。テーマは冤罪・白鳥事件。

「作家を目の当たりに見たのは、あの時が確か初めてのことであったと思う。」

さらにホテルに電話して、運よく松本清張とわずかながら話したという。

「受話器をおいてから、わたしはみすみす氏と会うチャンスを逃してしまったことを、残念に思った」。

朝日新聞の懸賞小説に応募しようと考えていたので、ここで松本清張に合えば、もしかすると審査員であるかもしれない松本清張にそのことを話すことになる。まるで、審査に手心をとお願いする立場になりかねない。そういうことのないよう、せっかくのチャンスにもかかわらず、清張に会いに行かなかったのだ。

清張とデビュー前の三浦綾子の唯一の接近遭遇チャンスである。もしこの時に出会っていたなら、と思うが。

清張は1909年生まれだから、1963年には54歳になる。もっとも、清張の作家デビューは遅く、1950年代だ。『点と線』『ゼロの焦点』『日本の黒い霧』を書いていたが、『昭和史発掘』連載より前である。

Thursday, December 09, 2021

宗教的ヘイト・スピーチと闘う02

D 紛争予防のために政府内の適切なメカニズムの設置

2012年以来報告した61か国が、紛争予防のために政府内の適切なメカニズムを設置している。キューバは、1985年の結社法のもとで、司法省結社局が宗教団体の法的地位を規制する権限を有し、さまざまな宗教のメンバー間の緊張を監視している。

バーレーンは、国内人権機関が宗教の自由の権利の享受を監視している。

メキシコによると、宗教問題監督官が公開の礼拝、教会、宗教集団・結社に関する憲法的法的規定に従って監視する権限を有している。

ボリビアは、反レイシズム国内委員会が、2010年のレイシズムと差別撤廃法によって設置され、宗教に基づく差別からの保護を提供している。

パキスタンによると、信仰調整委員会が地域レベルのさまざまなコミュニティの対話と相互理解を促進している。

スロヴェニアは、宗教コミュニティ・メンバー間の緊張に対処する公式のメカニズムはない。しかし、文化省宗教コミュニティ事務局は宗教コミュニティの状況を監視している。紛争予防のため、宗教代表者の協議によってヘイト・スピーチに対処している。「残虐犯罪に導く暴力の煽動予防・宗教指導者の行動計画」もある。

トルコは、2016年に人権平等機関を設置し、宗教的理由による差別禁止も管轄し、差別被害の申し立てを受理している。

E 政府公務員の研修

人権高等弁務官は、過去2年間に12カ国が公務員研修を促進する措置をとったと報告したことを歓迎した。ただ、今回の12カ国の報告には関連情報の記載がない。

F 差別の原因やこれに対する戦略を討論するリーダーの努力の助長

2か国から報告があった。バーレーンは、司法省イスラム局がイマームのために多元主義と共存の価値に基づいた研修計画を設定した。現代の発展に即して、過激イデオロギーと闘い、平等を促進する目的である。

G 差別の煽動になる宗教的憎悪の唱道など不寛容に反対する発言

バーレーンによると、国王は国際ニュースで、寛容や啓蒙、人権の発展と維持、排除なくすべての人のための改革を語ってきた。国内人権機関は2019年と2020年に、宗教的寛容、宗教の自由の尊重を促進し、暴力と過激主義を非難してきた。

パキスタンによると、不寛容と敵意の煽動事案が処罰の措置を様々に講じることで、抑止されている。Asia Bibi事件の結果、公務員がとった措置が知られる。2018年、イスラム学者のファトワが、平和、調和、寛容を訴えた。

トルコによると、政府の公務員は宗教に基づく不寛容、敵意、暴力に強く反対している。2020420日、エルドガン大統領はトルコのアルメニア総主教に手紙を出した。(手紙の内容は紹介されていない)

H 宗教に基づく暴力煽動を犯罪化する措置

バーレーン、イタリア、ラトヴィア、パキスタン、ポーランド、ロシア、スロヴェニアは宗教に基づく暴力の煽動を禁止する国内刑法に関する包括的情報を報告した。2012年以来報告した49か国が、行動計画でこの枠組みを採用している。枠組みの多くは、オンラインを含む、人種、国民、宗教的憎悪の煽動に対処する。これらの法は、暴力を促し、宗教的憎悪を煽動する組織の設立や参加、そうした文脈の公開集会、戦争犯罪、ジェノサイド、人道に対する罪の否定、暴力の煽動とテロリズム行為の連結を射程にいれている。枠組みは通常は犯罪化、重罰化である。

I ヘイト・クライムに反対する措置

2012年以来報告してきた29か国が国内レベルでヘイト・クライムに対処している。

キューバは、刑法が、国民、民族、人種又は宗教集団を破壊する意図で実行した行為を犯罪としている。

イタリアによると、反差別安全監督官が「イタリア・イスラム教共同体」と協力して警察官にイスラムへのガイドを教え、201812月、「イタリア・ユダヤ人共同体連盟」と協力してユダヤ教のガイドをつくった。宗教憎悪動機による犯罪を予防し、闘うため、警察官に啓発、教育する目的である。監督官は2020121日、警察官向けの雑誌で「ヘイトが犯罪になる時」という特集を組んだ。

ポーランドは偏見動機犯罪に対処する法的枠組みを報告した。刑法は、禁止行為実行者の動機が行為の重大性を評価し、刑罰を量定する際に考慮されるとする。警察は201821年の行動計画で、宗教的差異に基づく憎悪動機犯罪に対処する。

ラトヴィアによると、刑法は人種主義、国民、民族又は宗教動機で犯罪が行われた場合、刑罰加重事由としている。

ロシアによると、刑法は政治、イデオロギー、人種、国民又は宗教憎悪又は敵意に基づいた犯罪実行を刑罰加重している。刑法357条はジェノサイドを犯罪としている。

Wednesday, December 08, 2021

宗教的ヘイト・スピーチと闘う01

国連人権理事会46会期(202123月)に国連人権高等弁務官事務所が作成した報告書「宗教又は信仰に基づく不寛容、否定的ステレオタイプ、スティグマ、及び人に対する差別、暴力の煽動、暴力と闘う」(A/HRC/46/67. 11 January 2021)が提出された。差別とヘイト・スピーチと闘う国際的な動向を明らかにしているので、以下、簡潔に紹介する。

 序論

Ⅱ 行動計画実施のために各国がとった措置

Ⅲ 国連人権高等弁務官事務所及び人権メカニズムがとった行動

Ⅳ 20122020年に受け取った貢献の評価

Ⅴ 行動計画実施を加速する可能なフォローアップ措置に関する結論と考察

Ⅰ 序論

2011年の人権理事会決議16/18、国連総会決議66/167は、宗教に基づく不寛容と差別と闘う一連の行動をとるように呼び掛けた。人権理事会決議43/34は、人権高等弁務官事務所に、本件に関する報告書を提出するよう要請した。人権高等弁務官事務所の照会に応じて12か国が報告を寄せた。今回報告したのは、バーレーン、ボリビア、コスタリカ、キューバ、ラトヴィア、メキシコ、パキスタン、ポーランド、カタール、ロシア、スロヴェニア、トルコである。本報告書は主にこれらの報告を基にまとめられた。新型コロナに関連する対策にも言及する。

(報告書は各国政府の報告に依拠している。NGOからの報告との比較検討は行われていない。)

Ⅱ 行動計画実施のために各国がとった措置

以下は次の項目から成る。

A 憲法的法的枠組み

B 暴力的過激主義・ラディカル化に対処する措置

C 相互理解、対話促進のための協力ネットワーク創設

D 紛争予防のために政府内の適切なメカニズムの設置

E 政府公務員の研修

F 差別の原因やこれに対する戦略を討論するリーダーの努力の助長

G 差別の煽動になる宗教的憎悪の唱道など不寛容に反対する発言

H 宗教に基づく暴力煽動を犯罪化する措置

I ヘイト・クライムに反対する措置

J 否定的宗教ステレオタイプや宗教的憎悪と闘う必要性の理解

K 開かれた、建設的な、責任ある討論

L 公的書記官が差別をしないための効果的措置

M 宗教的自由と多元主義の促進 

N 個人がその宗教に関わらず代表され、社会参加すること

O 宗教的プロファイリングに強く反対する

P 宗教施設、墓地、教会の尊重と保護の措置と政策

Q 新型コロナ・パンデミックの文脈における措置

A 憲法的法的枠組み

バーレーン、ボリビア、キューバ、ラトヴィア、メキシコ、パキスタン、ポーランド、ロシア、スロヴェニア、トルコは、宗教の自由、平等及び非差別を保障し、宗教に基づく差別や不寛容と闘う憲法的法的枠組みを報告した。

B 暴力的過激主義・ラディカル化に対処する措置

2012年以来報告してきた37か国が、行動計画に暴力的過激主義に対処する措置を報告した。法律の人権への影響評価は、対処する措置がしっかりと人権に根差していることを確保するのに決定的である。ロシアは2002625日の連邦・反過激主義法と刑法規定を報告した。刑法は214年に改正されて、過激主義犯罪の刑罰を加重した。

C 相互理解、対話促進のための協力ネットワーク創設

2012年以来報告してきた53か国が、相互理解のための強調ネットワークをつくる措置を報告した。コスタリカは、外務省に礼拝局を設置し、外務省と宗教コミュニティの関係強化を図っている。2019年に意見交換協議会を行った。キューバは1985年以来、共産党中央委員会宗教問題事務局を置き、持続的関係と対話を継続している。イタリアは2019年以来、反人種差別事務局がカトリック大学、現代ユダヤ人文書センター、ミラノのショアー記憶財団と協力している。ショアー記憶財団のプロジェクトは、宗教的文化的動機によるヘイト・スピーチ現象の分析を深め、ソーシャル・メディアの差別現象を予防し闘うことである。

バーレーンは2018年に「平和的共存のためのハマド国王グローバル・センター」を設置した。寛容の、平和的共存、多元主義と多様性の価値を促進し、過激主義イデオロギーと闘う目的である。

メキシコは内務省に宗教問題監督官を設置している。宗教の自由を監督し、平和の文化を促進する。ポーランドは、政府が教会や宗教組織と協力している。ポーランド司教会議、ポーランド・全キリスト教センターと協力している。平和、安全、暴力予防のため、ユダヤ人の日を設定している。ロシアは、国家政策として国際NGOや国内NGOと協力してマイノリティの権利保護と、宗教的理由に基づく差別の予防を尊重している。

キシリトール政権語録05 翼賛される不安

いえね、ちょっと戸惑っているんです。

総理になったら、厳しいマスコミの洗礼を浴びることになるだろうと思いましてね。そりゃあ、アベさんの時は、政治部記者は手なずけてありましたから、ほとんどアベさんの言いなりでしたけど、社会部記者が鵜の目鷹の目であら捜ししてました。

モリカケやサクラが良い例です。たかが公文書の修正です。不要文書の破棄です。それをあたかも前代未聞の不祥事であるかのごとく騒ぎ立てましたからね。

スガさんも、官房長官時代にさんざん餌を撒いて、政治部記者とは昵懇でしたけど、国賊のような学者を任命しなかったからと言って、さも政府に非があるかのごとく騒ぎ立てるんです。社会部記者だけでなく、日頃はおとなしい文化部記者までスガ叩きに狂奔していました。

こんな調子ですから、私もさぞや叩かれるだろうと、まあ、腹をくくってはいたんです。

驚いたのは、マスコミ揃い踏みの協調路線です。マツノさんがうまくやってくれてるんでしょうけど、マスコミは私を持ち上げてばかりです。

逆に野党叩きが始まったのには驚きました。いつもならわが党が必死で裏工作して野党のスキャンダルを1つ2つ暴くところですが、今回はそこまで手が回りません。ニカイさんが不貞腐れて、仕事をさぼったせいもありますが。

どうなる事やらと思っていたところ、案に相違して、全マスコミ一丸となって野党共闘叩きです。「立憲共産党」とか言って猛烈な非難をしています。

リッケンに対して「批判するな、政策提言せよ」ですよ。これは嗤えました。いいんですか、こんなことで。野党の仕事は政権を批判し、監視することですよね。我々だって2009年から2012年まで野党の経験をしましたから、あの時に初めて勉強したんです。世界中、どこへ行っても、野党の仕事は批判と監視です。

それなのに、全マスコミが揃ってリッケンは批判するな、ですからね。わが政権にとってこんなありがたいことはありません。

もっと驚いたのが、泉ピン子さんの息子さんですかね、あの顔は。リッケンの新代表が「批判ではなく、政策提言」とか言い出しました。だったら我が党に来れば良いのに。いつでも入党を認めますよ。歓迎します。わが党は懐が深いですから。

今朝の朝日新聞も、完璧な土下座新聞です。「地球24時」とか言って「日本の核廃絶決議案、国連で採択」という見出しです。我が国が国連に核廃絶決議案を出して、採択されたと報じています。

デマです。フェイクです。ここまで政権をヨイショして、大丈夫ですか。

この決議案は、核兵器廃止決議を阻止するために出してるんですよ。世界中誰でも知ってることです。

核兵器禁止条約を持ち出した諸国が、国連総会に核兵器禁止決議も出しています。「2030年までに廃絶しよう」とか、無理な目標を掲げて、各国に賛同を求めています。まるで踏み絵です。実現不可能な核兵器廃止をがなり立てているだけです。

この決議を阻止するために、我が国は一貫して持続可能な核兵器決議案を出してきました。SDGsじゃなく、SDNuclearsです。表向きは「核兵器廃止」ですが、そのための手段・方法は絶対に書きません。いつまでに廃止するのか、目標時期も書きません。

そんなことしたら、日米同盟に反するじゃありませんか。我が国としては、アメリカさんに「いざとなったらあちこちに原爆をバンバン落としてくれ」と頼んでいるんですからね。核兵器を廃止されては困ります。

そりゃあ、私は出身地から言って、反対のふりもしますよ。票は欲しいですから。しっかり確保しなくちゃ。核も票もキッシーに。

とにかく我が国としては核兵器に反対しているふりをして、持続可能な核兵器政策を続けることが国益です。核を禁止しない禁止決議はそのための苦肉の策なんです。1万年後には核のない世界を目指そう、です。

ところが、朝日新聞はこれを真に受けて、日本政府が核廃絶決議案を出した、なんて記事にしてるんですから、素晴らしすぎて眩暈がします。ここでまですり寄ってくるとは思いませんでした。何かご褒美が欲しいんですかね。

という次第で、このところ座り心地が悪いんです。メディアが翼賛してくれるのはありがたいけど、ここまでとは思いませんでしたから。翼賛されるのって案外、不安で、う~む、この先どうなるんでしょう。

Tuesday, December 07, 2021

非国民がやってきた! 006

加藤圭木『紙に描いた「日の丸」――足もとから見る朝鮮支配』(岩波書店)

<植民地支配下の朝鮮でどのような暴力がふるわれ、日々の暮らしは変容したのか。人びとはどのように支配に抗い、破壊された社会関係の再構築をめざしたのか――土地の収奪や労働動員、「日の丸」の強制、頻発する公害とそれに対する闘争などを切り口に、支配をうけた地域とそこに暮らす人びとの視点から、支配の実態を描き出す。>

第一章 奪われた土地──日露戦争と朝鮮
第二章 紙に描いた「日の丸」──天皇制と朝鮮社会
第三章 水俣から朝鮮へ──植民地下の反公害闘争
第四章 忘れられた労働動員──棄民政策と荒廃する農村
第五章 空き地だらけの都市──越境する人びと
おわりに

「民衆史」という分野があるが、著者はこの言葉を用いていない。たぶんあまり変わらないと思うが、著者の関心がそこに向けられていないのかもしれない。むしろ、梶村秀樹の「国境をまたが生活圏」、杉原達の「地域からの世界史」に学びながら「足下からの世界史」と言い、「植民地支配の問題を一人一人の人生が破壊された問題であり、今も被害に苦しむ人がいる問題だと提起することの重要性」を唱える。

第一章「奪われた土地──日露戦争と朝鮮」では、永興湾の農村、漁村にある日、突然、日本人がやってきてカキ漁の権利を奪う。さらに日本軍がやってきて土地を取り上げ、軍事基地を建設する。海を奪われ、土地を奪われた人々は、「労働力」に切り縮められる。日露戦争と朝鮮という関係の中で、永興の人々がいかに巻き込まれ、追い出され、収奪されていくか。いかに抵抗していくか。

第二章「紙に描いた「日の丸」──天皇制と朝鮮社会」では、日本による「日の丸」強制の結果、布の旗ではなく、紙に日の丸を描いて振り、後に廃棄する。破り捨てられる日の丸。天皇制・同化・差別は、地域に入り込んだ監視として実現していくが、朝鮮人にとって天皇は疎遠な他者にすぎない。抑圧者にすぎない。

第三章「水俣から朝鮮へ──植民地下の反公害闘争」では、水俣で公害をまき散らしたチッソの原点は朝鮮にあり、植民地支配と公害が一体のものであったことを浮き彫りにする。チッソに限らず、侵略企業は「人を人と思わない状況」をつくり出し、収益を上げる。当然、住民の抵抗運動が始まる。反日、反植民地支配、反公害の闘いの始まりである。

第四章「忘れられた労働動員──棄民政策と荒廃する農村」では、後に官斡旋(強制連行問題、徴用工問題)となっていく労働力動員の1930年代の展開を、動員された労働者の立場から描き出す。

第五章「空き地だらけの都市──越境する人びと」では、日本の軍事的観点、産業的観点から構想された都市・清津のまちづくりが、現地の人々の暮らしと無縁であり、地域の経済にも即していないため、「空き地だらけの都市」ができあがる喜劇を描き出す。清津だけでなく、慶興にとっての地域発展という観点から見ることで、さらに日本と朝鮮を含んだ歴史の構造が見えてくる。地域内部における支配とのたたかいは、「越境する抵抗」という形態で可視化される。

著者は、イデオロギーとしての反日ではなく、人々の暮らしの中から生まれ、立ち上がろうとする反日を描き出す。反日とは、生命を取り戻し、人間を取り戻す闘いである。暮らしを再建するために必然としての反日である。この点を理解させてくれる好著だ。

ここから2・8宣言や3・1宣言などの独立闘争、解放闘争への発展のダイナミズムも取り上げて欲しいが、それは後日の期待としよう。

フェミサイドの現状04

7 新型コロナ・パンデミックはジェンダー関連殺害にどんな影響を与えたか?

 

新型コロナ・パンデミックのジェンダー関連殺害への影響についてはデータが十分ではない。2020年、西欧では11%増、南欧では5%増だが、北欧では特に変化はなく、東欧は微減である。北米では8%増、中米では3%、南米で5%増である。これは過去十年の増減の範囲内である。

国別では、14か国の月別データが得られたが、ロックダウンによる影響は確認s慣れていない。14か国とはアルメニア、バハマ、クロアチア、エクアドル、ギリシア、イタリア、ラトヴィア、リトアニア、メキシコ、モロッコ、ミャンマー、オマーン、スロヴェニア、スペインである。

新型コロナの移動制限がジェンダーに基づく暴力に与えた影響はデータが不十分である。2020年初頭の第1波の時期の隔離によって若干減少している。

欧州とラテンアメリカの数カ国のDVヘルプラインのデータも複雑な様相である。自宅における女性への暴力が急増した国もある。例えばイタリアでは4倍増である。アルゼンチンでも急増した。デンマークとメキシコでは隔離措置後、暴力は微減である。利用できるデータからは確定的なことは言えない。

 

8 政策的含意

 

報告書は最後に、フェミサイドへの政策的介入を4つの領域に分けている。

1)ジェンダー関連殺害のデータ・ギャップを埋める

2)ジェンダー関連暴力の予防と対処

3)ジェンダー関連殺害実行犯の効果的な訴追と制裁

4)ジェンダー関連暴力の証拠に基づいた予防の投資

 

1)ジェンダー関連殺害のデータ・ギャップを埋める

ジェンダー関連殺害についての包括的なデータ収集が重要である。多くの国ではまだ不十分である。データのある国でもジェンダー関連暴力の定義が多様である。UNDOCが用意した統計枠組みを参照して、現在の制約を超えて、各国が情報収集することが必要である。

2)ジェンダー関連暴力の予防と対処

DV法はすでに155か国で制定され、ジェンダー関連暴力行動計画を策定している国も多い。

・保護命令――保護命令は、親密なパートナーによる暴力を減少させてきた。警察の介入後に暴力がエスカレートすることもある。暴力的パートナーから保護するための更なる介入方法が模索される必要がある。保護命令や登録制度、24時間ホットライン、シェルター等の組み合わせが危機の予防になる。

DVサービス――ヘルプラインやシェルターのようなDVサービスは親密なパートナーによる殺害を減らしてきた。こうした支援は長期間継続する必要があり、保護目入れなどの法的手段と組み合わせるのが効果的である。

・銃器統制――家に銃器があれば暴力のリスクが高まる。DV加害経験のある実行者が銃器に接近できないようにする制限が殺害防止に必要である。

・離婚――離婚法制は女性・少女に対する暴力への影響可能性を考慮して慎重に検討されなければならない。離婚時は女性が被害を受ける時期となるので、全体的アプローチが必要であり、行政府や裁判所が暴力の予防と対処をする必要がある。

3)ジェンダー関連殺害実行犯の効果的な訴追と制裁

被害者・生存者が司法にアクセスしやすいようにして、暴力実行者の責任を問い、社会に明確なメッセージを送るべきである。ラテンアメリカでは、ジェンダー関連殺害について刑事司法の対処を特に定めた特別法が制定されている国がある。ジェンダー関連殺害事件を担当する特別班を設置し、ジェンダー関連殺害に適正に対処しない刑事司法公務員(警察官や検察官のこと?)を監視する必要がある。

4)ジェンダー関連暴力の証拠に基づいた予防の投資

長期的には多元的な介入方法が検討され、多様な予防介入の組織的見直しがなされるべきであり、国連は「尊重枠組み」を基に予防戦略を構築する。

・関係スキルの強化――女性、男性、カップルへの介入戦略

・女性のエンパワーメント――経済的社会的エンパワーメント

・サービス保障――警察、法律扶助、健康、社会サービスを被害者に提供

・貧困対策――貧困縮減を目指した労働力移転の介入

・安全環境――安全な学校、公共空間、労働環境を作り出す

・子ども虐待予防――家族関係修復、体罰禁止等

・態度、信念、規範の変更――有害なジェンダー態度、信念、規範、ステレオタイプ、男性優位・女性従属・暴力正当化となる慣習の見直し

以上の措置は独立ではなく、相互横断的であり、広範なアプローチが求められる。

 

以上。