シンポジウム「ラッセル法廷」50周年
——戦犯裁判・戦犯民衆法廷の歴史的文脈とその遺産——
本年2017年は「ラッセル法廷」50周年にあたる。 ヴェトナム戦争が激化していた1967年にイギリスの哲学者バートランド・ラッセルの提唱で2度にわたってスウェーデンとデンマークで開催された「ラッセル法廷」は、ニュルンベルク裁判や東京裁判を批判的に検討してヴェトナムでの米国の戦争行為が民族の生存そのものの抹殺を図る「ジェノサイド」的様相を帯びているとの理解を提示し、しかも日本軍性奴隷制やアフガニスタン・イラクでの米国の戦争犯罪を裁く目的で今世紀に入って開催されてきた国際的な戦犯民衆法廷の先駆けをなすものとして歴史的意義を持つ。本シンポジウムでは、「ラッセル法廷」開催から50周年を迎える機会に、「ラッセル法廷」の歴史的意義とともに、ニュルンベルク裁判や東京裁判ならびに国際的な戦犯民衆法廷の歴史的文脈とその遺産を改めて問い直し、戦争責任問題の歴史的・今日的位相に関して再検討することを試みる。
日時:2017年12月2日 土曜日 14時〜17時30分
場所:一橋講堂(学術総合センター2F)中会議室
101-8439
東京都千代田区一ツ橋2-1-2
(地下鉄神保町駅下車徒歩3分・竹橋駅下車徒歩3分)
予約不要/参加無料
<<プログラム>>
報告
藤本 博 (南山大学外国語学部):
「ラッセル法廷」が問いかけたこと
ーヴェトナムでの米国の戦争犯罪に対する国際的批判と日本における戦犯調査活動の貢献ー
戸谷由麻(ハワイ大学歴史学部):
東京裁判における通例の戦争犯罪の追及:法廷における争点とその意義
前田朗(東京造形大学):
民衆法廷を継承する精神―アフガニスタン及びイラク国際戦犯民衆法廷の経験
ディスカッション
司会 油井大三郎(東京大学名誉教授・一橋大学名誉教授)
コメンテーター 芝健介(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター)