Wednesday, May 17, 2023

転換期の思想を問う――未来を拓くために  第3回 待ち望む力――科学もユートピアも

転換期の思想を問う――未来を拓くために

的場昭弘さんへのインタヴュー

 

3回 待ち望む力――科学もユートピアも

6月3日(土)1400開場、1430開始~1640終了

思想はいかにして現実に迫り、将来社会構想を描き出してきたか。近代世界におけるユートピア思想に始まり、科学的社会主義など、人間・社会・国家をトータルに把握し、その変革に挑んだ思想の現代的意義に焦点を当てる。

 

的場昭弘:神奈川大学教授(経済学、マルクス学)。慶応大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士、一橋大学助手、東京造形大学助教授、神奈川大学助教授を経て現在に至る。元アソシエ21事務局長。

主著に『トリーアの社会史——カール・マルクスとその背景』(未来社)『パリの中のマルクス』(御茶の水書房)『未完のマルクス——全集プロジェクトと20世紀』(平凡社)『マルクスだったらこう考える』『ネオ共産主義論』(以上光文社)『もうひとつの世界がやってくる』(世界書院)『待ち望む力——ブロッホ、スピノザ、ヴェイユ、アーレント、マルクスが語る希望』(晶文社)『マルクスとともに資本主義の終わりを考える』『未来のプルードン――資本主義もマルクス主義も超えて』(以上亜紀書房)『超訳「資本論」』全三巻(祥伝社)『「革命」再考』(角川書店)『「19世紀」でわかる世界史講義』(日本実業出版社)『資本主義全史』(SB新書)他多数。訳書に『新訳共産党宣言』『新訳初期マルクス』『新訳哲学の貧困』ジャック・アタリ『ユダヤ人、世界と貨幣——一神教と経済の4000年史』(以上作品社)他多数。

 

インタヴュアー 前田朗:朝鮮大学校講師。東京造形大学名誉教授。日本民主法律家協会理事、救援連絡センター運営委員、国際人権活動日本委員会運営委員。

 

会場:SPACE ALTA(スペース・オルタ)

222-0033 横浜市港北区新横浜284オルタナティブ生活館B1

https://kanagawa.seikatsuclub.coop/news/detail.html?nid=0000016963

https://www.mapion.co.jp/m2/35.5063719,139.61150466,16/poi=0000SPOT_001pa

 

 

料金/各回・当日1,200円、予約1,000

予約・問い合わせ/Tel&Fax:045472-6359(スペース・オルタ)

主催:平和力フォーラム

e-mail:akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp

協賛:スペース・オルタ、脱原発市民会議かながわ、福島原発かながわ訴訟原告団

Sunday, May 14, 2023

アフガニスタン訪問報告会5.28大阪

アフガニスタンは今

アフガニスタン訪問報告会5.28大阪

ターリバーンの再支配と経済制裁下での女性たち

 

312日~25日、アフガニスタンを訪問しました。2015年以来、8年ぶりです。

20218月のターリバーンの再支配下で女性の就労や就学が極端に制限され、これまで活動して来たNGOなども活動が困難な状況になっていました。ターリバーンの再支配以後の国際社会の経済制裁により、多数のアフガン人が貧困にあえぎ、深刻な人道危機が起きています。

 

【報告者】 

清末愛砂(RAWAと連帯する会共同代表:室蘭工業大学大学院教授)

前田朗(RAWAと連帯する会共同代表:東京造形大学名誉教授・朝鮮大学校講師)

桐生佳子(RAWAと連帯する会事務局長)

高橋国夫(RAWAと連帯する会事務局)

 

[大阪] 

5月28日() 開場13時半 開会14時~16時半

会場  :大阪市天満橋 ドーンセンター セミナー室

参加費:500円

連絡先:桐生(090-3656-7409  

 

<共催> 

RAWAと連帯する会   

室蘭工業大学大学院・清末愛砂研究室

アフガニスタン訪問報告会5.27東京池袋

アフガニスタンは今

アフガニスタン訪問報告会5.27東京池袋

ターリバーンの再支配と経済制裁下での女性たち

 

312日~25日、アフガニスタンを訪問しました。2015年以来、8年ぶりです。

20218月のターリバーンの再支配下で女性の就労や就学が極端に制限され、これまで活動して来たNGOなども活動が困難な状況になっていました。ターリバーンの再支配以後の国際社会の経済制裁により、多数のアフガン人が貧困にあえぎ、深刻な人道危機が起きています。

 

【報告者】 

清末愛砂(RAWAと連帯する会共同代表:室蘭工業大学大学院教授)

前田朗(RAWAと連帯する会共同代表:東京造形大学名誉教授・朝鮮大学校講師)

桐生佳子(RAWAと連帯する会事務局長)

高橋国夫(RAWAと連帯する会事務局)

 

[東京] 

5月27日()  開場17時半 開会18時~20時半

会場   IKEbiz (旧豊島区勤労福祉会館) 第3会議室 

連絡先:前田 e-mail :akira.maeda@jcom.zag.ne.jp  

                       090-8212-0524(当日) 

参加費:500円

 

<共催> 

RAWAと連帯する会   

室蘭工業大学大学院・清末愛砂研究室

平和力フォーラム

アフガニスタン訪問報告会5.20室蘭

アフガニスタンは今

アフガニスタン訪問報告会

ターリバーンの再支配と経済制裁下での女性たち

 

312日~25日、アフガニスタンを訪問しました。2015年以来、8年ぶりです。

20218月のターリバーンの再支配下で女性の就労や就学が極端に制限され、これまで活動して来たNGOなども活動が困難な状況になっていました。ターリバーンの再支配以後の国際社会の経済制裁により、多数のアフガン人が貧困にあえぎ、深刻な人道危機が起きています。

 

【報告者】 

清末愛砂(RAWAと連帯する会共同代表:室蘭工業大学大学院教授)

前田朗(RAWAと連帯する会共同代表:東京造形大学名誉教授・朝鮮大学校講師)

桐生佳子(RAWAと連帯する会事務局長)

高橋国夫(RAWAと連帯する会事務局)

 

[北海道] 5月20日()  開場14時 開会14時~16時半

会場:   室蘭市中小企業センター 中会議室A

参加費:500円

連絡先:増岡(080-5830-4714)  

 

<共催> 

RAWAと連帯する会   

室蘭工業大学大学院・清末愛砂研究室

憲法を学ぶ会

Monday, May 01, 2023

包括的差別禁止法のために05

『マイノリティの権利を保護する――包括的差別禁止法を発展させるための実務ガイド』の「第5部 差別と表現」は次の構成である。

Ⅰ 差別禁止法に直接関係する言説の局面

Ⅱ ヘイト・スピーチ及び差別、敵意、暴力の煽動の禁止

Ⅲ 煽動及びその他の憎悪や偏見に基づく表現に対する制裁

Ⅳ 非法的措置

「Ⅱ ヘイト・スピーチ及び差別、敵意、暴力の煽動の禁止」の続き

ラバト行動計画におけるヘイト・スピーチの6つの成立要件の一つである「文脈」をどのように判断するか。ハーガン対オーストラリア事件で、一人のアボリジニが、クイーンズランドのトゥーウーンバで、名前と結び付けた重大な人種的悪口を言われたことで、人種差別撤廃条約第21項、4条、5条、6条、7条違反を申し立てた事件で、人種差別撤廃委員会は、オーストラリアが条約に違反したと判断した。過去にそう呼ばれた時点では必ずしも人種差別と思われていなくても、現在の社会では人種差別的と思われる状況にあるがゆえに、委員会はその言葉について感受性が高められたことを留意するべきと判断した。

CERD, Hagan v. Australia(CERD/C/62/D/26/2002).

*

NGOの「Article 19」は、文脈の判断について次のように提案している。

表現は、それが伝達された政治、経済、社会的文脈において考慮されるべきであり、次の諸点を考慮する。

・例えば、標的とされた集団に対して最近暴力事件があった場合のように、社会に紛争が存在すること。

・法執行や司法において、制度的差別が存在し、その歴史があること。

・差別禁止法の規定に、標的とされた集団の保護される特徴が明記されているか否かの法的枠組み

・標的とされた集団について定期的に不定的な報道がなされているようなメディア状況

・選挙が近いとか、アイデンティティ・ポリティックスが問題となっているとか、標的とされた集団が公式の政治過程で議論されているような、政治状況

Ⅲ 煽動及びその他の憎悪や偏見に基づく表現に対する制裁

ラバト行動計画は、各国は、(a)刑事犯罪にあたる表現、(b)刑事処罰はないが民事訴訟や行政制裁を正当化する表現、(c)法的制裁は生じないが、寛容の精神から関心事項となる表現を区別するよう求めている。

国連意見表現の自由特別報告者は、ヘイト・スピーチ禁止の対応は犯罪化する義務とは限らず、憎悪煽動の極端な事例だけを犯罪化するべきとしている。この要件を満たさない場合は、民事法による救済が採用されることを特別報告者は勧告している。

Ⅳ 非法的措置

ヘイト・スピーチと闘う表現は非法的措置に焦点を当てる。人種や皮膚の色等に基づく不寛容の表現、否定的なステレオタイプ、烙印押しは、積極的介入によって対照するべきである。すなわち、教育、啓発、対抗言論による被害者支援、積極的語りの流布、公的情報キャンペーン。各国には、メディアやソーシャルメディアにおけるヘイト・スピーチや暴力の煽動を監視する措置を講じ、独立のメディア監視機関を設置するべきである。

米州人権委員会は次のように述べている。

「委員会及び表現の自由特別報告者事務所は、ヘイト・スピーチと効果的に闘うために、法的措置を超えて、予防や教育の措置を含んだ、包括的で持続的なアプローチが採用されるべきである。特別報告者が以前に述べたように、これらのタイプの措置は、組織的な差別の文化的根源に対処する。ヘイト・スピーチを確認し、反対し、社会を多様性、多元主義、寛容の原理に基づいて発展させる、価値ある手段となりうる。」

実務ガイドは最後にアルゴリズムに言及している。

アルゴリズム・システムの登場は、私たちの生活を根本から変えつつある。アルゴリズム技術の使用が差別や人権に与える影響は無数である。

アルゴリズムのヘイト・スピーチの拡散における役割

実務ガイドによると、アルゴリズム・システムがヘイト・スピーチや差別と暴力の煽動において有する役割への関心が高まっており、2021年、国連人権理事会のマイノリティ問題特別報告者は、FacebookGoogleYouTubeTwitterなどのソーシャルメディア・プラットフォームのビジネスモデルに焦点を当てた(A/HRC/46/57)。アルゴリズムはエコーチェンバー効果を有し、情報源があまりに狭隘であり、予断偏見を集中させるからである。アルゴリズムは、諸個人を極端で、憎悪に満ち、しつようなコンテンツに誘導する結果を示す。特別報告者によると、過激主義集団の参加者の3人に2人がソーシャルメディアにおけるアルゴリズムが提示した勧告を受けて過激主義に加わっていた。アルゴリズムは、憎悪、過激化、非人間化、スケープゴート、ジェノサイドの煽動、憎悪の唱道につながり、ヘイト・クライムや虐殺への警鐘を鳴らす必要があった。

現代人種主義特別報告者は、ネオナチや白人至上主義者がメンバー募集や資金づくりにアルゴリズムによるプラットフォームを利用しているという(A/HRC/41/55)。アルゴリズムの使用は、差別に晒された集団が被った憎悪と被害に寄与している。マイノリティ問題特別報告者は、ソーシャルメディア・ボットが、イスラム嫌悪や白人至上主義に用いられたという(A/HRC/46/57)、他方でミャンマーにおけるロヒンギャに対するヘイト・スピーチの過激化にFacebookが用いられたという(A/HRC/42/50)

アルゴリズムとAIの差別的影響

実務ガイドによると、アルゴリズムとAIの使用は様々な形で差別をもたらしている。よく知られた2つのパターンは、

(a)  不透明な個人情報の大量収集と、アルゴリズム・システムの有害な運用における個人情報の利用。例えば、ソーシャルメディア・プラットフォームによって用いられたシステムが、個人情報の収集と利用によっている。

(b)  そのシステムが差別的情報に学び、偏見を再生産した場合に、その技術の利用が差別的結果をもたらす。

2のパターンの実例は調査結果がある。例えば、2016年の研究で、人権情報分析集団が、カリフォルニアのオークランドで、人種偏見を強化した。非白人で低収入の住民が居住する地区での警察配置の増加を勧告したことにより、警察実務における人種偏見を強化したのである。

同様に、20187月にアメリカ自由人権協会が行ったテストでは、顔認知装置が議員28人の顔を犯罪ゆえに逮捕された者と誤認した。誤認は、6人の議員黒人連盟のメンバーを含む有色人種に多かった。

こうした実例は氷山の一角に過ぎない。包括的差別禁止法の役割が重要である。アルゴリズムの使用が直接差別や間接差別につながらず、ハラスメントやヘイト・スピーチのような禁止された行為を増加させないようにすることが求められる。