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22日午前はパレ・デ・ナシオンをうろうろ。国連正門の警備が厳しいので何かあるのかと思ったら、昼から国連前の平和広場でエリトリアの人たちが集会。1000人はいました。「平和にイエス、戦争にノー」「制裁反対」「UN-JUST」(unjustと国連UNをかけている)のシュプレヒコール。
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1)カメルーン報告書審査
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午後からパレ・ウィルソンで人種差別撤廃委員会CERDのカメルーン報告書審査(CERD/C/CMR/15-18. 11 March 2009)。報告書には、人種差別撤廃条約4条に関して、「一般的に言って、差別的慣行はカメルーンの公的政策に反する」と始まり、刑法の説明があります。刑法241条は「人種や宗教を侮辱すること」で、次のように規定しています。
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刑法241条「人種や宗教を侮辱すること」
(1)多数の市民や住民が属する人種や宗教に対して、刑法152条に定義されている侮辱的行動を行った者は、6日以上6月以下の刑事施設収容および5000以上50万以下のカメルーン・フランの罰金に処する。
(2)犯罪がプレスやラジオを手段として行なわれた場合、罰金の上限は200万カメルーン・フランに増額する。
(3)犯罪が市民の間に憎悪や恥辱を引き起こす意図で行なわれた場合、上の(1)(2)で定められた刑罰は二倍にする。
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以上が241条です。152条については、補足説明がなされています。刑法152条は「侮辱的行動」を「公衆に開かれた場所で、身振り(ジェスチャー)、言葉または叫びを手段とする、または公衆の関心を獲得しようと計画された方法を手段とする、中傷、侮辱または威嚇」としています。
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刑法242条は「差別」です。
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刑法242条「差別」
その者の人種や宗教ゆえに、公衆に開かれているアクセスや、雇用へのアクセスを、他人に拒否した者は、1月以上2年以下の刑事施設収容および5000以上50万以下のカメルーン・フランの罰金に処する。
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他に、刑法305条は名誉毀損の罪、1988年の法は広告における差別を規制しています。2007年6月4日、国家人権・自由委員会は、北部の紛争地域で起きた民族紛争を非難するプレス・リリースを出しました(Mbessa、Bawock)。
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刑法がいつ制定されたのかは不明です。ラジオがあって、テレビはないので古いのかもしれません。もっとも、1994年のルワンダ・ジェノサイドはテレビではなくラジオで煽動が行われました。カメルーン刑法における「人種」概念の射程はわかりません。人種差別撤廃条約1条の人種の定義と同じなのか違うのかは不明です。
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ちなみにパレ・ウィルソンの前に銅像が建っているので見たところ、デメロでした。世界各地の武力紛争地における人道復興支援に活躍しましたが、ブッシュの戦争の後始末にイラクへいって、バグダッドで殺されたデメロです。殉職ですが、あの時期にバグダッドに公然と乗り込んだのは、愚かの一語。
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2)NGOネットワーク
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23日午前はカメルーン報告書審査の続きでした。CERDのロビー活動のためにジュネーヴに来た「人種差別撤廃NGOネットワーク」8名と日本弁護士連合会代表3名のミーティングを行いました。事務局からCERDの状況の紹介があり、審査に向けてのロビー活動、NGOブリーフィングなどの打ち合わせです。
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AIGLETTE, Sauvignon Blanc de Geneve 2008.
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24日朝は、日本政府報告書を担当するソンベリ委員(大英連合)のNGOネットワークのミーティングがありました。午前中は、前日からの継続でオランダ政府報告書の審査でした。オランダ報告書は先に少しだけ紹介しましたが、読み直して、もう少し詳しく紹介する必要があります。
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24日昼休みは、CERD審査会場の隣の部屋で、NGOネットワーク主催のNGOブリーフィングです。時間になっても委員がこないので不安でしたが、徐々にやってきて、開会時には6人ほど、遅れて6日とやってきたので、全部で12人でした。18人の委員のうち12人。2001年の時は3~4人しか来ませんでした。NGOネットワーク事務局の事前の案内がよかったのかも。最初に、昨年12月4日の、在特会による京都朝鮮学校襲撃事件の映像上映です。日本の恥・下劣な在特会の国連デビューです。次に、日本の問題全体について、NGOネットワークと日弁連から概説。次に個別問題として、日弁連から、弁護士から選ばれる調停委員に外国籍弁護士が選任されない、裁判所による差別について報告。次に北海道アイヌ協会、部落解放同盟、琉球先住民族協会、移住労働者と連帯する全国ネットワークなどが発言。
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3)モナコ報告書
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地中海の宝石モナコにも人種差別禁止法があります。第6回報告書(CERD/C/MCO/6. 13 June 2008)によると、モナコ政府は、人種差別撤廃条約4条(a)に従って、人種差別と闘うために、2005年7月15日に公開表現の自由に関する法律を制定しました。2006年にモナコに行ったのに、その時は軍隊のない国家の調査で、それ以外は余裕がなくて、全く調べることができていませんでした。以下、仮訳です。
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第1条 メディアに文書を出版する自由は保証される。この自由の行使は、人間の尊厳、プライヴァシー、家族生活、他人の財産の自由、思想や意見の表現における多元主義、法と秩序の緊急の必要を、尊重するのに必要な制限にのみ服する。
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第9条 外国で出版された新聞または定期刊行物は、第1条2項に規定された制限のもとで、自由に販売および配布することができる。
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第10条 音響映像情報の自由は、第1条2項に規定された制限のもとで、並びに、公共サービスの必要およびメディアによって課された技術的拘束のもとで、保証される。
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第15条 公共の場所または公開集会において発せられた言葉、叫び、威嚇によって、または公共の場所または公開集会において販売され、配布され、販売のために提供され、または展示された文書、印刷物、図画、彫刻、絵画、紋章、イメージその他の書かれ、話され、見えるようにされた補助媒体によって、または公開の景観に展示されたポスターまたは掲示によって、または音響映像メディアによって、一人または複数の実行者に犯罪の実行を教唆した者は、その犯罪が実際に実行された場合、計画された重罪または主要な軽罪(a designated crime or major offence)の共犯と見なされる。この規定は、刑法第2条に定義されているように、教唆の結果、未遂にとどまった場合にも、適用される。
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第16条 第15条に掲げられた手段のいずれかによって、その出身、特定の民族集団、国民、人種または宗教に帰属しているか否かによって、または、その実際の性的志向または想定された性的志向によって、個人または集団に対して、憎悪または暴力を教唆(煽動)した者は、同じ刑罰の責を負う。前項に掲げられた行為のいずれかについて有罪が言い渡された場合、その決定の全部または一部を、文書形式で、有罪とされた者の費用で、告示または広告するとの決定をすることができる。告示または広告された決定には、本人の同意があれば被害者の氏名、または被害者の法的代理人または受益者の氏名を掲載することができる。
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第18条 第15条に掲げられた手段のいずれかによって、公国の居住者または一時的滞在者に対して憎悪を教唆(煽動)することによって平穏を害そうと(breach the peace)した者は、前条に規定された刑罰の責を負う。
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第24条 同じ手段による私人に対する中傷は、1月以上1年以下の刑事施設収容および/または刑法第26条3項に規定された罰金に処する。
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モナコ刑法の体系がわからないので、以上のことが何を意味するのか、必ずしもわからないことも多いのですが、ともあれヘイト・クライム法がモナコにもちゃんとあるのです。