Saturday, June 02, 2018

ヘイト・クライム禁止法(147)アルゼンチン


  アルゼンチン政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/ARG/21-23. 28 February 2016)によると、ラジオ・テレヴィにおける差別の監視のため、オーディオヴィジュアル通信機構や国立女性委員会が協力して、差別的内容が含まれている放送番組の制作や内容の分析、差別に抗する代替番組の発展のための支援、差別と闘うための方とガイドラインに関する助言、問題となった番組や広告が本当に差別言説を含むか否かの研究を行っている。オーディオヴィジュアル通信機構の研究成果はウェブサイトを通じて公開される。

 政府は市民社会組織と連絡・協力し、財政支援、援助、研修も行っている。二〇一一年一二月、政府は文化・宗教・民族の分断領域における調査・発展・研修センターを設置し、アルメニア人、ユダヤ人、イスラム教徒、ラヌス大学、宗教省事務局と連携している。センターの主要目的は、公的セクターにおける差別のン代への関与のための共同研究の促進である。

 一九八八年の差別行為の犯罪化法第一条は差別行為に対して民事罰を課すこととし、損害賠償も命じている。第三条は、人種、宗教、国籍又は政治イデオロギーに基づく迫害又は憎悪の煽動に関する犯罪を、一年以上三年未満の刑事施設収容としている。第二条は、刑法犯が人種、宗教、国籍の迫害又は憎悪による場合や、特定の集団の全部又は一部を破壊する目的で行われた場合、最小で三分の一、最大で二分の一の刑罰加重事由を定める。第六条は、公共に開かれた施設の所有者、組織者、責任者が憲法上の平等原則に違反し、警察や裁判所が差別に関する申立てを受理する義務を履行しなかった場合、五〇〇以上一〇〇〇ペソの罰金とする。

 人種差別撤廃委員会はアルゼンチン政府に次のように勧告した(CERD/C/ARG/CO/21-23. 11 January 2017)。アルゼンチンは条約に従って人種差別を定義していないので、委員会の一般的勧告三五を考慮して、条約第四条に記述された行為を犯罪とすること。二〇〇九年以来、オンブズマンの席が空席となっているので、オーディオヴィジュアル通信のためのオンブズマンを指名すること。