秋晴れの一日、八王子郊外の東京富士美術館に行ってきた。
JR八王子駅からバスで10分ほど、創価大学正門前だ。展示は2つ。
1つは、「This is Japan in Tokyo永遠の日本美術」で、若冲、蕭白、北斎、広重。
若冲の<象図>は笑えて楽しかった。
第8代将軍徳川吉宗の時に象が日本にもたらされ、長崎から江戸まで歩いて移動したという。若冲は京都で実際に見たようだ。
普通なら横から描くところ、象を画面いっぱいに真正面から描いている。真ん中に象の顔があり、長い鼻が下にのびる。意表を突く大胆な構図で、象の背景となる部分を全て墨で塗りつぶしている。水墨抽象画だ。
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もう1つは、ダ・ヴィンチ没後500年「夢の実現」展だ。
https://maeda-akira.blogspot.com/2020/01/500.html
今年初めに代官山ヒルサイドフォーラムで開催された展示の巡回が始まった。代官山では施設の都合でよく見ることのできなかった目玉展示の<最後の晩餐>復元映像が、完璧だった。<最後の晩餐>空間体験ゾーンもユニークだ。
展示のガイドブックも出版された。
東京造形大学ダ・ヴィンチ・プロジェクト編『よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ』(東京美術)
https://www.tokyo-bijutsu.co.jp/np/isbn/9784808711962/
<未完や欠損状態の絵画、巨大建築の設計図、機械や彫刻のデッサンなど、万能人ダ・ヴィンチが生前やり残したさまざまな「夢」を、500年後の今、現代のテクノロジーを用い完全な形で再現を試みた画期的プロジェクト。さらに、ダ・ヴィンチにまつわる長年の謎や議論について、そのあらましと興味深い最新知見を紹介。他分野の識者による考察も多くの示唆に富み、コンパクトながら類のないダ・ヴィンチ入門書。>
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常設展「西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで」では、ウオーホルの「ブラスナー氏の肖像」もおもしろい。