コロンビアがCERDに提出した報告書(CERD/C/COL/17-19. 14 November 2018)
二〇一一年の法律一四八二号の目的きは、人種、民族、宗教、国籍、政治イデオロギー、哲学イデオロギー、性別、性的志向又は障害に基づいて差別した者を刑事処罰することである。障害については二〇一五年改正で挿入された。人種主義と差別の定義は、人種、国籍、性別又は性的志向に基づいて人の権利の完全な行使を予防、妨害、制限することである。人に心身の害悪を引き起こすことを目的とするハラスメントや差別行為について刑罰を科す。公然と、マスメディアにおいて、公務員によるハラスメントや差別には刑罰が加重される。
検察庁が扱った事案は三六八件であり、人種主義や差別が二に七件、ハラスメントが一四一件である。そのうち五件が裁判に付され、一件が有罪判決となっている。
二〇一四年の憲法裁判所判決は、障害者が法改正以前に差別の被害者となる危険があったと認定した。
二〇一五年の憲法裁判所判決は、民族的アイデンティティゆえに懲戒権を行使できなかった事案で、平等権の保護を言い渡した。
二〇一七年の憲法裁判所判決は、表現の自由権と法律一四八二号によるヘイト・スピーチの禁止について検討した。
二〇一二年の決定によって、内務大臣の諮問機関として差別・人種主義監督官が置かれている。人種差別と人種主義について啓発する教育計画を策定し、地方自治体に包括的施策を助言し、事件処理方法を確立し、人種差別を防止する公共政策を勧告する。被害者支援サービスも行う。二〇一四~一八年、一〇四件の人種差別申立てを受理した。男性が四九件、女性が三四件、子どもが一一件、集団が八件である。そのうち四二件は検察庁に送付された。
CERDがコロンビアに出した勧告(CERD/C/COL/CO/17-19.
22 January 2020)
一般的勧告第一五号及び第三五号に照らして、ヘイト・スピーチ、人種差別の煽動、人種主義表現を予防するため実効的な措置を講じること。排外主義、ヘイト・スピーチ、人種差別の煽動、人種的動機による暴力を捜査し、責任者を訴追し処罰すること。多様性を尊重し、人種差別を撤廃する啓発活動を実施すること。人種憎悪を正当化し助長する思想の流布を犯罪とし、人種差別を煽動する団体を禁止すること。