Wednesday, September 23, 2009

ぐろ~ばる・みゅ~ぢっく(01)ばちうる


VatiuruのファーストアルバムDudumana Fanaを購入したのは、ソロモン諸島の首都ホニアラのメインストリートにある、小さな雑貨店風のお店だった。入り口を入って左側にはDVD、CD、カセットテープが並んでいたが、右側は雑貨コーナーだった。


なにしろソロモン諸島だ。主島のガダルカナルは、北のホニアラ周辺に舗装道路があるが、東へ向かっても、西へ向かっても1時間も走れば舗装道路ではなくなる。島の南側を走る道路とはつながっていない。南側に行くには、ジャングルを乗り越える必要がある。西端のタンベア海岸やケープエスペランサにタクシーを雇っていってみたが、大変な悪路だった。ジャングルを走るのは、昼間は楽しいが、夜は悲惨だ。


それはともかく、Vatiuruだ。Vatiuruとは、ソロモン諸島のHavulei州Ysabel地区のBaolo村出身のバンドだ。計画はきちんと準備されたが、何らかの理由で計画通りの過程を経ることなく、実現しなかった場合に、予定外の「成果」が得られることがある。そんな音楽づくりをめざしている。


メンバーは、Francis MisiとDavid Rollandだが、ゲスト・ボーカルにSisiva Crewsが入り、そのほかにもHoata地区のBachelor boysも加わっている。アルバムタイトルを含む10曲。アップテンポで、爽やかなサウンドだ。


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雑誌「マスコミ市民」に「空に歌えば--平和・人権・環境」という連載を33回掲載してもらった。各地の平和運動の現場で歌っているミュージシャンを紹介した。


たいていの音楽雑誌で取り上げるのは、メジャーのバンドばかりだ。市民運動に力を入れている雑誌でも、音楽コーナーを見ると、メジャーなバンドばかり取り上げている。広告費を貰ったわけでもないのに、そろいもそろってメジャー賛歌だ。インデペンデントの紹介はごくまれにしかなされない。自分で歩いて音楽を探す音楽評論家はいまやまれだろう。メジャーの宣伝マンばかりだ。「空に歌えば」では、インデペンデントばかり取り上げた。


ここでは日本を離れて、世界各地の音楽を取り上げていきたい。メジャーではない。インデペンデントというか、きわめてマイナー、「マイナーの中のマイナー」だ。ポップスあり、ロックあり、ラップあり、民族音楽あり。基準は、ひたすらマイナー(!)。何を歌っているのかわからないものも多いが、サウンドが気に入ったという理由だけで取り上げていきたい。