Thursday, March 30, 2023

小西議員「憲法審査会サル」発言は不適切発言だが、ヘイト・スピーチではない

329日におこなわれた参院憲法審査会の幹事懇談会後、立憲民主党の小西洋之参院議員が「毎週開催は、憲法のことなんか考えないサルがやることだ」と発言した事が問題となっている。一部では「ヘイト・スピーチだ」という声があがっているという。しかし、これはヘイト・スピーチではない。

 

小西発言は、参議院憲法審査会の運営を「サル」に喩えて、貶めたものだ。国民の代表である国会議員を無意味に貶め、罵倒する不適切な不当発言である。他人を貶めて、自分が偉くなったつもりなのだろうが、謝罪・撤回したほうが良い。

 

ただ、これはヘイト・スピーチではない。一部のメディアが「ヘイトだ」と叫んでいるそうで、私の所に質問が来た。

 

あまりにばかばかしいので放っておきたいのだが、ヘイト・スピーチ概念が誤解されるのもまずいので、一言。

 

ヘイト・スピーチは、典型的には、人種・民族、皮膚の色、言語、出身地、宗教、性別、性的指向などを根拠に、他人を貶めたり、侮辱したり、排除したりする(つまり、差別的な)発言のことである。

 

日本のヘイト・スピーチ解消法では「本邦外出身者」に対する不当な言動を取り上げて定義している。

 

ヘイト・クライムやヘイト・スピーチは、歴史的社会的に形成されている差別的な関係、そこにおける権力関係(マジョリティとマイノリティの関係等)を固定・助長しようとするものである。

 

国会議員が国会議員の政治行動を批判するのはヘイト・スピーチではない。

 

ただ、小西議員には、もっと生産的な議論を期待したい。他者を無意味に貶めても、自分の価値を下げるだけである。