Wednesday, April 26, 2023

包括的差別禁止法のために01

国連人権高等弁務官事務所と、平等権信託(Equal Rights Trust)は2023年、『マイノリティの権利を保護する――包括的差別禁止法を発展させるための実務ガイド』を公表した。

Protecting Minority Rights, A Practical Guide to Developing Comprehensive Anti-Discrimination Legislation, United Nations Human Rights Office of the High Commissioner and Equal Rights Trust, 2023.

 

ERTは、EUやイギリス政府の財政支援を受けているが、本ガイドに示された見解はEUやイギリス政府の公式見解を反映しているとは限らないという。

 

本ガイドは200頁を超える大部のものであり、その概要を紹介することはとうていできない。まずは大目次だけ紹介する。

はしがき

要約

序文

Ⅰ 方法、射程、制約

Ⅱ 本ガイドをどう使うか

第1部    包括的差別禁止法を制定する国家の義務

 包括的差別禁止法を採択する必要に関するコンセンサス

 国連憲章機関とその他の国際手続き

 地域的法と各国法の発展

 結論

第2部    包括的差別禁止法の内容

Ⅰ 平等の権利と非差別

Ⅱ 救済

Ⅲ 司法と執行

Ⅳ 平等機関

Ⅴ 履行義務

3部 マイノリティの権利を保護する

Ⅰ マイノリティの権利と差別の禁止

Ⅱ 人種差別を受け被害を受ける集団

Ⅲ 宗教・信仰マイノリティと差別

Ⅳ 言語、言語的マイノリティ、差別、平等及び統合

Ⅴ マイノリティの参加と差別の禁止

Ⅵ 先住民族の権利

第4部  差別的暴力とヘイト・クライム

5部 差別と表現

Ⅰ 差別禁止法に直接関係する言説の局面

Ⅱ ヘイト・スピーチ及び差別、敵意、暴力の煽動の禁止

Ⅲ 煽動及びその他の憎悪や偏見に基づく表現に対する制裁

Ⅳ 非法的措置

第6部  多様性と平等の促進――差別の原因に対処する義務

 偏見、ステレオタイプ、スティグマに対処する国際法の義務

 特別措置

 結論:平等と多様性の促進