「戦争を知らない老人たち」
山口 そうですね。そうすると少なくとも今のZ世代といわれる若い人たちに対して「戦争を知らない老人たち」になった私たちが戦後八十年のいま、何を、どう伝えていけばいいのでしょうか。
赤川 結局、想像力だと思うのです。……(以下略)
『井上ひさし研究』創刊特大号に収録された山口昭男(元岩波書店社長)と赤川次郎(作家)の対談「物語を書き続けて」からの引用である。対談は「二〇二五年吉里吉里忌」に実施された。
『戦争を知らない子供たち』は1970年に大阪万博で発表された。作詞北山修、作曲杉田二郎である。1971年にジローズが歌ってヒットした。日本レコード大賞新人賞を受賞したと言う。
作詞の北山修は精神科医であるが、フォーク・クルセダーズのメンバーであり、作詞家でもある。1946年生れ。
作曲の杉田二郎はフォーク歌手、シンガーソングライターで、ジローズを結成して『戦争を知らない子供たち』をヒットさせた。1946年生れ。
1949年生れの山口昭男と1948年生れの赤川次郎が、2025年の「戦後80年」の対談で「戦争を知らない老人たち」について語る。
赤川次郎の作品は650を超えると言うが、2000年ごろから戦争への道に抗する社会的発言をするようになった。国旗国歌法や盗聴法に危機感をもち「いま黙っていたらだめだろうと思った。これはやっぱり小説に書いてとか悠長なことは言ってられないなと思ったのがきっかけでした」と言う。
「将来、自分が権力に迎合していかないようにするための歯止めになるということを期待していた感じです。」
その後、小説でもそうしたテーマを取り上げるようになった。『悪夢の果て』『さすらい』『日の丸あげて』『雨』『東京零年』など。