足立昌勝『「テロ等準備罪」にだまされるな!』(三一書房)
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国民的批判を浴びて廃案となった共謀罪法案が「計画罪」「テロ等準備罪」とレッテル詐欺で再登場し、国会審議がヤマ場を迎えている。レッテル詐欺は安倍首相の十八番だが、法務官僚も負けない。背後の警察官僚は高笑いしている。共謀罪の思想との闘いのために必読書である。
著者は刑事法学者で、関東学院大学名誉教授。近代刑法史研究の第一人者であるとともに、治安法批判の先頭に立ってきた。現在は救援連絡センター代表でもある。
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目 次
第一部 「共謀罪」から「計画罪」・「準備罪」へ
1 「計画罪」の登場
(1) 国会での答弁
(2) 唐突的な新聞記事
(3)パリ連続爆破事件を受けた新聞の反応
(4)国連の名による抵抗の抑圧
2 「共謀罪」の本質~刑法を変質させる共謀罪~
3 2006年法務委員会での攻防
(1) 趣旨説明の強行
(2) 与党修正案批判
(3) 与党再修正案批判
(4) 与党再々修正案批判
(5)与党最終修正案批判
(6) 国会での審議
(7)今一度考えよう。「共謀罪の本質」を!
(8) 民主党修正案批判
4 テロ等謀議罪批判
(1)はじめに
(2)「修正案要綱骨子(素案)」の内容と批判的検討
(3)むすび
5 「共謀罪」改め「計画罪」
(1)「計画罪」の登場
(2)「計画罪」の登場
(3)「計画罪」の概要
(4)共謀罪に対する批判への対応
(5)「計画罪」と盗聴法の改悪
(6)テロ等準備罪と共謀罪
(7)テロ等準備罪の新設
(8) 計画罪の登場した背景
第二部 跨国組織犯罪防止条約と共謀罪
1 跨国組織犯罪防止条約と共謀罪
(1)跨国組織犯罪条約と日本政府
(2) 共謀罪法案の本質
(2)ガイドラインとの関連
3 一国主義と世界法主義
4 むすび
資料編 「共謀罪」をめぐって国会・委員会に提出された組織的犯罪処罰法の改
正法