崔江以子「ヘイトスピーチの根絶を求めて――市民・行政・議会がともに」『アリラン通信』63号(2019年)
12月12日、川崎市議会が人権擁護・反ヘイト条例を制定した。この条例づくりのために取り組んできた<「ヘイトスピーチを許さない」かわさき市民ネットワーク>の活動をもとにした、現地からの報告である。朝鮮人集住地域として知られる桜本に押し寄せてきたヘイト団体、これに対するカウンター市民の闘い、川崎市への要請行動、ヘイト・スピーチ解消法の制定とその限界、そして「オール川崎」の取り組みとしての人権条例の制定。
「私たちのオール川崎の目指すゴールは差別のない社会の実現です。その道のりは希望に輝いています。川崎市の差別を禁止し終了させる具体的に実効性のある条例の制定を応援し、ここ川崎から共生の希望を全国に発信します。ともに。」
著者はネット上で悪質な誹謗中傷に悩まされてきたが、ヘイト・スピーチ解消法の制定にも川崎市条例の制定にも大きな役割を果たした。そして12月28日、川崎簡裁は、ツイッターで著者の名誉を毀損した人物に対して、迷惑行為防止条例違反で30万円の罰金を命じた。ヘイトのない共生社会をつくる実践が続く。