フランス政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/FRA/20-21.
23 October 2013)によると、刑法は人種差別の宣伝を処罰し、1881年のプレスの自由法とその修正法は差別煽動を禁じている。オンライン情報の増加により、インターネットを用いた人種主義との闘いが重要となっている。フランスはオンライン上の差別煽動に対処する法律を模索してきた。
2004年6月21日の法律6条に従って、インターネットサービス・プロバイダーは、違法な内容の書き込みがなされた場合に、速やかに公の当局に通報しなければならない。速やかな手続きを確保するために、フランスはPHAROSというハーモナイゼーション、分析、相互チェックのためのプラットフォームを設置した。警察官など数十人の調査員チームが、関連情報を調査している。2007年3月5日の法律は、1881年法律の修正法で、人種主義的差別的メッセージの流布を停止する内容である。民族集団、国民、人種、宗教等の理由に基づいて、個人又は人の集団に対する差別、憎悪又は暴力を煽動する内容が公然と書き込まれた場合、検察官又は関係者の請求により、裁判官は明らかに不法な内容のサービスを停止することができる。
2012年の人種主義、反ユダヤ、反ムスリム行為は23%増加し、2009年の7%減、2010年の26%減と対照的である。
警察の新しい犯罪報告システムが2013年1月に運用開始となり、インターネット上の人種主義的攻撃を記録するようになった。
インターネット上の人種主義との闘いとして、2009年1月、PHAROSが運用開始となった。インターネット上の違法なメッセージ等(人種主義的内容)、憎悪の呼びかけ、ペドフィリア、犯罪実行の煽動)に関してサービス・プロバイダー等が報告し、情報収集する。PHAROSは、国立サイバー犯罪防止機関内に置かれている。2011年、PHAROSの機能が強化された。2011年1月1日から11月30日、92,261件の通報を受け取った。内8,605件が差別的内容であった。214件について捜査が行われた。捜査班を支援するため、SOIRAX(人種主義、反ユダヤ、排外主義と闘う利害シンボル)がつくられた。個人情報を含まないが、極右団体が用いる記号、シンボル、言語、コードをリストアップする。