アンドラがCERDに提出した報告書(CERD/C/AND/1-6.
30 May 2018)
アンドラの初の報告書である。
差別行為は、刑法第5章に規定されている。2005年刑法338条は、2014年に改正され、処罰範囲を拡張した。338条1項は、以下の違法な差別行為について3月以上3年以下の刑事施設収容とする。人又は人の集団に対する暴力、憎悪又は差別の扇動。人又は人の集団を標的とした公然の虐待、中傷又は脅迫。いかなる手段であれ、人の集団の融雪性の主張、侮辱、中傷するイデオロギー又は思想の公然表明。そうした表現を含んだ物の流布又は配布、同様の行為の表明。
差別イデオロギーの公然表明が処罰されるのは、一般公衆に対してなされた場合のみならず、私的集会やインターネット・フォーラムで行われた場合も含まれる。
338条に掲げられた行為について、そうした表現を含んだ物を所有又は製作するなどの準備行為も可罰的である。
集団侮辱に関する339条は、故意にかつ公然と、宗教、も区民、民族又は政治集団、労働組合の構成員に対して行われた集団侮辱を犯罪とする。
2014年刑法改正により、359条と360条は、差別目的のために形成された結社を違法と宣言し、その結社に財政その他の援助をした者にも刑事責任があるとした。
刑法338条2項は、公的職務において上記の差別行為を行った公の当局者は、刑罰が4年以下の公職停止である。
刑法338条4項は、公的職務において差別目的をもって、公共サービスの提供を拒否した者に1年以下の刑事施設収容及び3年以下の公職停止とする。
刑法30条6項は、刑法上のすべての犯罪について、差別的動機のあった場合に刑罰加重事由とする。差別的動機は、人の出生、出身、国民、民族、皮膚の色、性別、哲学又は政治的意見、労働組合に関する意見、心身の能力、生活方法、慣習、言語、年齢、性的アイデンティティ又は性的志向である。この定義は人種に言及していないが、人の出身、国民、民族、皮膚の色に人種が含まれる。
CERDがアンドラに出した勧告(CERD/C/AND/CO/1-6.
22 May 2109)
2000年の放送法が平等と非差別原則を明示していることに留意する。ジャーナリストに人種主義と人種差別に関する研修がなされている。しかし、メディアにおける人種差別発言に関する申し立てを受け付ける独立機関がない。一般的勧告第35号に照らして、すべてのメディアに対する申し立てを受理し検討し、人種的動機によるヘイト・スピーチや、人種差別や暴力を扇動するメディアを監視する独立機関を設置すること。