メキシコがCERDに提出した報告書(CERD/C/MEX/18-21. 25 August 2017)
政府の差別防止委員会は、50以上の国際条約で設定された義務を果たし、差別の防止と予防のためのモデル法に基づいて、地方の反差別法を発展させている。
2014年、EUの「ノー・ヘイト・スピーチ運動」に学ぶことを決定し、インターネット上その他のヘイト・スピーチと闘う社会行動を促進するキャンペーンを開始した。13~18歳の若者向けのキャンペーンだが、2015年に24歳まで引き上げた。どの年齢であれ、若者に平等のための闘いに参加し、情報、意見、画像、映像を動的に交換してヘイト・スピーチと闘うものである。フェイスブックでは「私の服装は粗悪ではない。文化の豊かさを反映しているのだ」という投稿が26912人の若者、ツイッターでは106万の若者のアクセスがあった。
司法分野では、刑事手続きで、被告人の人種・民族的出身を刑罰加重事由とする法規定はない。被害者が人種・民族ゆえに被害を受けやすい集団に属している場合、裁判官は刑事訴訟法第410条を適用して、犯罪が人種的に動機づけられていれば刑罰加重事由とすることができる。
2012~16年、人種主義・人種差別事案が8件訴追された。うち2件は憲法の関連規定の下で公判が開かれ、判決が出された。他の6件は、訴えが棄却された。
司法手続きの費用や複雑さを解消するため、差別被害者には公設弁護人事務所により法的助言が与えられる。
先住民族に関する権利保護のために、技術的法的援助を地方議会に提供し、25州が先住民族の権利を承認し、24州が先住民族に関する法律を制定している。
CERDがメキシコに出した勧告(CERD/C/MEX/CO/18-21.19September
2019)
条約第4条が列挙する行為を犯罪とする法律がなく、人種動機を刑罰加重事由としていない。2019年1月30日の最高裁決定が命じているように、人種差別行為及び条約第4条が列挙する行為を犯罪とすること。人種動機を刑罰加重事由とすること。