エルサルバドルがCERDに提出した報告書(CERD/C/SLV/18-19. 14 September 2018)
刑法第292条と第246条は人種又は出身に基づく差別事件に刑罰を設定している。2015年、立法議会は刑法に2つの修正を加えた。刑法第129条は、人種、民族、宗教又は政治的憎悪に動機を持つ殺人、又はジェンダー、ジェンダー・アイデンティティ・表現、又は性的志向に基づいて行われた殺人は加重殺人であり、30年以上60年以下の刑事施設収容とする。刑法第155条は、人種、民族、宗教又は政治的憎悪に動機を持つ加重脅迫に、ジェンダー、ジェンダー・アイデンティティ・表現、又は性的志向を加えた。
憲法第3条は、平等と非差別の権利を掲げ、いかなる形態の差別も禁止する。人種差別を助長・煽動する組織やプロパガンダ活動は認められない。それらは刑法第292条の対象である。憲法第63条の改正により平等と非差別の権利を一層尊重している。2016年8月、立法議会は文化法を制定した。文化法第30条は、先住民族にその自由、平等、尊厳、差別を受けない権利を保障し、文化法第11条は、先住民族の権利、第12条は文化の平等を定める。
CERDがエルサルバドルに出した勧告(CERD/C/SLV/CO/18-19.13
September 2019)
憲法第3条と文化法第30条があるが、条約第1条の人種差別の定義に合致していないので、改正すること。一般的勧告第15号と第35号を考慮して、人種差別と闘う特別法が有益である。人種主義ステレオタイプ、人種主義ヘイト・スピーチ、人種差別と闘うため、人種差別に関する意識啓発と、文化間対話を促進すること。文化法第30条及び刑法第292条の規定を、条約第4条の規定に合致させること。