超越者に従う自由(第10章 ユーヌス)
中田考監修『日亜対訳クルアーン』(作品社、2014年)
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第10章は預言者ユーヌス(ヨナ)の名前が冠されているが、万物の創造者で、人間を真理に導くアッラーの偉業が説かれる。
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善を尽くした者には至善があり、悪事をした者には悪事の報いがある(10:26‐27)。
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「そして彼らの大半は憶測に従っているだけである。まことに憶測は真理の代用には全く役立たない。まことにアッラーは彼らのなすことをよく知り給う御方。」(10:36)
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「人々よ、おまえたちにはすでにおまえたちの主からの訓告がもたらされた。胸中にあるものの癒し、そして信仰者への導きと慈悲が。」(10:57)
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「また復活(審判)の日、アッラーについて虚偽を捏造した者たちの思いは何か、まことにアッラーは人々に対する御恵みの持ち主。だが、彼らの大半は感謝しない。」(10:60)
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「まことに、アッラーについて虚偽を捏造する者たちが成功することはない。」(10:69)
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真理の生成も基準もアッラーにあり、憶測に従い、嘘を唱えることを戒める。超越者の権威に従うことが求められる。超越者の権威に従うことによって、人々は自由を獲得する。