Saturday, December 14, 2013

国連・人権勧告の実現を!集会に参加

14日、明治大学で開催された「国連・人権勧告の実現を!~すべての人に尊厳と人権を」(主催・同実行委員会)に参加した。実行委員会は、国内でさまざまな人権獲得の活動をしてきた諸団体、国連人権機関に情報提供などロビー活動を展開してきたNGOなどから成る。例えば、日本軍「慰安婦」問題に取り組んできた団体として、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動、「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク、女たちの戦争と平和資料館。人種、民族、部落、性的アイデンティティによる差別に反対してきた団体として、アイヌ・ラマット実行委員会、レインボー・アクション、朝鮮学校生徒を守るリボンの会、在日本朝鮮人人権協会、チマ・チョゴリ友の会、部落解放同盟東京都連合会、差別・排外主義に反対する連絡会。国際的なレベルで人権擁護運動を展開してきたアムネスティ日本、反差別国際運動、ヒューマン・ライツ・ナウ、ピースボートなど四九団体六一個人参加者は二五〇名を超えた。集会準備段階では三回の学習会を開催し、朝鮮学校差別、「慰安婦」問題、アイヌ、沖縄・琉球問題を取り上げてきた。14日の集会では、荒牧重人(山梨学院大学教授)が基調報告「国連人権勧告と日本」において、人権メカニズムの概略とこれまでの経過をわかりやすく報告した。続いてアメリカからのゲストとして、戦争と差別に反対するANSWER事務局長のブライアン・ベッカーと弁護士のマラ・バーヘイデン・ヒリアードが連帯のメッセージで、日本における朝鮮人差別に抗する運動の意義を南アフリカにおけるアパルトヘイト反対運動や、アメリカにおける黒人差別に対する公民権運動に類比するおのと位置付けた。その後、朝鮮学校無償化排除問題について宋恵淑(在日本朝鮮人人権協会)、沖縄・アイヌ問題について上村英明(恵泉女学園大学教授/市民外交センター)、国際社会から見た日本の人権状況について寺中誠(国内人権機関と選択議定書の実現を求める共同行動)、福島原発事故と健康の権利について伊藤和子(ヒューマン・ライツ・ナウ)、「慰安婦」問題について渡辺美奈(女たちの戦争と平和資料館)が報告した。いずれも要点を絞ったコンパクトな報告で、国際人権と日本の関係や、今後の課題が浮き彫りにされた。最後に行動提起として野平晋作(ピースボート)が、今後の集会・デモなどの告知を行った。全体を通じて、国際人権法や国際人権活動と言った場合に、国連憲章レベルの国連人権理事会、そのテーマ別特別報告者(人種差別問題特別報告者、健康の権利特別報告者)、人権条約に基づく委員会(自由権委員会、社会権委員会、女性差別撤廃委員会、人種差別撤廃委員会、子どもの権利委員会、拷問禁止委員会)など、さまざまな機関があり、それらから日本に対して多数の勧告が出されてきたことがよくわかる。国際人権法入門講座の意味もある。自由権規約委員会の次の日本政府報告書審査は14年7月、人種差別撤廃委員会は8月の見込みである。