ヴェネズエラ政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/VEN/19-21.
16 January 2013)によると、ヴェネズエラには条約第四条に関連する法律は多数あり、報告書ではそのうち主要なものを紹介する にとどめると言う。一九九九年の憲法第八九条は、政治、年齢、人種、性別、信条又はその他の理由に基づいて差別することを禁止している。
二〇〇九年の教育法は教育の基本原則を定め、すべての市民に差別のない平等を保障する。教育法第一〇条はすべての教育機関・学校に、印刷、映像その他のメディアを通じて出版、広告、宣伝その他の方法で、憎悪、暴力、危険、不寛容を煽動すること、言葉を人間の共存、人権、
先住民族の権利の尊重に有害な形に変形することを煽動することを禁じている。重大な違反行為については制裁が予定され、場合によっては違反した機関の閉鎖・解散も可能である。二〇一〇年のラジオ・テレビ・電子メディア責任法第三条は、人々の間の社会的理解、平和、寛容、平等、友好を発展させる責任を定める。
人種差別法第一条は人種差別を予防、対処、根絶、処罰するためのメカニズムを規定する。第四条は人間の尊厳、 社会正義、参加促進、ジェンダー平等、多文化主義、多民族性、文化交流、多言語主義、連帯、寛容、平等に照らして、原則を定める。第七条
は合法目的の結社の自由を定め、人種差別を促進・煽動する組織を禁止する。人種差別禁止法により反人種差別国家機関が設置され、検事局と
オンブズマン事務所が任務を担当する。