国際刑事裁判所の検事局『ジェンダー迫害の罪に関する政策』を簡潔に紹介する。
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Ⅶ 捜査
検事局は捜査の最初期段階からジェンダー迫害を注意深く考慮するだろう。資源を有効に活用し、証拠収集・分析、戦略的計画・意思決定に十分な時間をかけるだろう。
A
準備
検事局は、人権侵害を認定し、犯罪との結びつき、集団構成員が標的とされたことを認定する。職員はそのための研修を受ける。
職員には、その地域の伝統、宗教実践、慣習、文化、女性・賛成の地位等に通じることが求められる。検事局は、基本権侵害の申立てを検討し、操作に役に立つその他の要因を検討する。これらの問題について情報を提供できる専門家や証人を特定する。専門家チームを任命する。
ジェンダー迫害の効果的な捜査にはネットワークが決定的である。ネットワークを作るには、検事局は予審段階で入手した地域の共同体や市民社会組織についての情報を考慮する。
ジェンダー迫害の被害者や証人に接するには慎重な配慮を要するので、検事局は、操作を支援する関係者から適切な個人を特定する。
捜査の尋問班は、被害者や証人が自ら選んだ代名詞や言語を採用する。通訳・翻訳者も、ステレオ対応を避けるために適切な人選を配慮する。被害者や証人への尋問には入念な準備が必要である。捜査という特別な文脈で、ジェンダー差別行為に言及するので、適切な言葉やコミュニケーション方法を採用する。
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B 実務
国際刑事裁判所規程68条1項に従って、検事局は被害者と証人の安全、心身の健康、プライバシー、尊厳を保護する措置をとる。
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国際刑事裁判所規程68条1項 裁判所は、被害者及び証人の安全、心身の健康、尊厳及びプライバシーを保護するために適切な措置をとる。裁判所は、その場合において、すべての関連する要因(年齢、第七条3に定義する性、健康及び犯罪(特に、性的暴力又は児童に対する暴力を伴う犯罪)の性質を含む。)を考慮する。検察官は、特にこれらの犯罪の捜査及び訴追の間このような措置をとる。当該措置は、被告人の権利及び公正かつ公平な公判を害するものであってはならず、また、これらと両立しないものであってはならない。
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検事局は、被害者や証人が直面する脅迫、被害を受けやすいこと、保護と支援の必要性について配慮する。
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C 分析
紛争以前の人権の文脈を分析することが、ジェンダー迫害を検討する際に基本権剥奪の指標を評価する役に立つ。実行犯は、差別的ジェンダー規範を用いるからである。既存のジェンダー規範は、ジェンダー迫害行為の抗弁とはならない。ジェンダー規範が国内法で合法か違法かを問わない。
検事局は人権パースペクティブに立って情報収集と分析を行う。その分析がじぇんdな―迫害のパターンをより明らかにする。実行犯は、少女のための学校を爆撃して少女の教育を禁止する。リプロダクティブ医療を否定する。女性家族の必要に応じた会合から家族男性を排除して男性を落としめる。LGBTQI+の文化センターを破壊することでLGBTQI+の価値を毀損する。
検事局はジェンダー迫害行為の交差性分析を行う。