Sunday, January 15, 2023

暮らし(いのちき)は武器で守れない

 「新しい戦前にさせない」 共同テーブル・アピール

暮らし(いのちき)は武器で守れない                           

 

暮らしを大分では(いのちき)と呼ぶ。いのちを連想させる味わい深い方言である。政府は憲法9条を捨てて軍備拡大に踏み出そうとしているが、それは生命を削り、暮らしを壊す道である。暮らしと軍拡は両立しない。戦火の消えないアフガニスタンで、中村哲さんは井戸を掘り、暮らしを建て直して平和を築こうとした。憲法9条を持つ日本の中村哲さんはそれまでフリーパスでアフガンを歩くことができた。しかし、イラクへの自衛隊派遣が、その平和のパスポートを奪う。だから、哲さんは国会で「自衛隊派遣は有害無益」と訴えた。軍隊が国民を守らないことは旧満州や沖縄の例で明らかである。

軍備に頼らない平和を求めるために、私たちは「安保三文書」を徹底批判する。暮らし(いのちき)か、軍拡か。三橋敏雄という俳人は「過ちは繰り返します秋の暮」と詠んだが、私たちは愚かな軍拡の道を選ばない。

 

2023年春  

共同テーブル発起人

浅井基文(元広島平和研究所所長・政治学者) 安積遊歩(ピアカウンセラー) 雨宮処凛(作家・活動家) 伊藤 誠(経済学者) 植野妙実子(中央大学教授・憲法学)  上原公子(元国立市長)大内秀明(東北大学名誉教授) 大口昭彦(弁護士・救援連絡センター運営委員) 海渡雄一(弁護士) 鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授) 鎌田 慧(ルポライター) 金城 実(彫刻家) 纐纈 厚(山口大名誉教授・歴史学者) 古今亭菊千代(落語家) 佐高 信(評論家) 清水雅彦(日体大教授・憲法学) 白石 孝NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長) 杉浦ひとみ(弁護士)  竹信三恵子(和光大名誉教授・ジャーナリスト) 田中優子(前法政大学総長) 鳥井一平(全統一労働組合・中小労組政策ネットワーク) 前田 朗(朝鮮大学校講師) 宮子あずさ(随筆家)    室井佑月(小説家・タレント) 山城博治(沖縄平和運動センター顧問)