Sunday, November 16, 2014

ブラック国家批判の作法

佐高信『ブラック国家ニッポンを撃つ』(七つ森書館、2014年)

「佐高信の緊急対論50選・天の巻」と付されている。「地の巻」「人の巻」と合わせて3冊で50の対論・討論・座談を集めている。本書では、佐藤優、田原総一郎、上野千鶴子、加藤紘一、小森陽一、東郷和彦、吉永小百合、鈴木宗男、中島岳志、斎藤貴男、菅原文太、福島みずほなど27人が登場する。政治と経済にわたる批判の書であり、著者らしく、実名を出して具体的批判に徹している。政治家、企業人、官僚、作家、宗教者など次々とやり玉に挙げながら、ニッポンの行く末を論じている。2006年頃の対談から2013年のものまで収録されているため、話題がやや古いなと思うところもないわけではないが、それが現在とつながっているので、全体として違和感なく読める。経済小説家(大下英治、飯塚将司)による経済小説論が一番面白く読めた。