Monday, May 10, 2021

国連ヘイト・スピーチ戦略と行動計画(3)

Ⅳ 戦略の13コミットメント履行のための行動要点と特別勧告

2 ヘイト・スピーチの原因、運搬者、実行者に対処する

 

おおよそ次の内容。

 

行動4:原因、運搬者、実行者の認定

・戦略を既存の国連政策・人権分析に統合する。

・監視結果に基づいて、ヘイト・スピーチの先導的な煽動者/発言者/流布者を認定する。国家行為者なのか、非国家行為者なのか。その国の文脈の中で、憎悪表現の背後にある同期を確認する。政治目的、アイデンティティ要因や保護される特徴に基づく不平等、不処罰、歴史的または現在の苦情原因、経済的不平等、自由な空間がないこと、オンラインの抑制解除等。

・ジェンダーに関連するヘイト・スピーチの原因、運搬者、実行者の認定。

・交差性のヘイト・スピーチのパターンの認定(複数の要因に基づくヘイト・スピーチ)。

・ヘイト・スピーチに対する先導的な反対者の認定。国家行為者及び非国家行為者。社会におけるその地位。

 

行動5:原因、運搬者、実行者に対処する

・ヘイト・スピーチに対処・反対する既存の国家及び非国家イニシアティヴを確認し、支援する。女性団体、青年団体、学校のサークル等も。

・以下のプロジェクト、計画、活動を支援する。原因となるヘイト・スピーチ運搬者への対処。相互尊重、社会的結合、包摂、多様性の促進。論争的な意見を闘わせるフォーラムの提供。ヘイト・スピーチに反対する語り、代替する語りの情報交換を促進する。ヘイト・スピーチに対処・反対する個人のリスクを評価し、低減する。

・平和と安全保障領域でのヘイト・スピーチへの対処。よき実例、紛争予防、対話、信頼形成、選挙支援、平和構築、女性と青年のエンパワーメント。

・公衆に信頼され、影響を与える個人への支援。宗教指導者、コミュニティ指導者、政治指導者、国家当局、ソーシャル・メディアのインフルエンサー等。ヘイト・スピーチに反対する言説。

・政党が、その代表者の行動に関して倫理ガイドラインを作成し、実施する。

・移行期の正義(司法)や社会的結合の促進に関するプロジェクトや計画の支援。

・国家レベルでヘイト・スピーチに反対する市民社会グループの能力支援。専門的知見や財政での支援。

・適切かつ可能な場合、暴力的過激主義を予防し、これと闘う国家努力との協働による効果。

 

Ⅳ 戦略の13コミットメント履行のための行動要点と特別勧告

3 ヘイト・スピーチ被害者を励まし支援する

 

行動6:被害者との連帯

・ヘイト・スピーチの被害者との連帯を迅速に表明する。特に差別、敵意、暴力の煽動の原因となるヘイト・スピーチの場合、被害者との連帯表明を。被害者の代表と面会し、その証言や意見を聞くこと。適切な場合には、伝統的メディアやオンライン・メディアを通じて、公的言説を行い、被害者が受ける被害について語ること。

・被害者が声を出せるように支援する。公的フォーラムにおけるアジェンダ設定に被害者を招き、発言できるようにする。

 

行動7:報復的ヘイト・スピーチや暴力のエスカレーションに反対する

・ヘイト・スピーチ事件が起きた後、報復的ヘイト・スピーチや暴力のエスカレーションの可能性についてリスク評価を行う。

・ヘイト・スピーチの運搬者を認定し、集団間の対話を促進し、理解を深めることで、暴力の脅威を減らし、社会的緊張を鎮める。

 

行動8:被害者の権利とニーズが支援されるようにする

・表現の自由に関する国際人権法の観点からヘイト・スピーチに関する国内法を分析する。必要な場合は法改正を行う。

・反差別法の枠組みを強化して、国際人権法に合致させる。

・差別、敵意、暴力の先導事件が起きたと報じられたら独立かつ公正な捜査を行う。刑事犯罪に当たる場合は刑事訴追を行う。

・適正手続き、および被害者・証人の保護を促進する。

・ヘイト・スピーチの被害者・証人の保護を促進し、付随的被害を避ける。

・適切な場合、戦略的訴訟を支援する。ラバト行動計画の6つの要件に合致する事案。表現の自由に関する国際人権法に合致しない法に関連して。

・民事制裁や行政制裁の促進。

・ヘイト・スピーチ被害者支援における非法的救済の促進。

・立法機関、独立の人権機関、市民社会組織による、ヘイト・スピーチと闘う現行法や政策の見直し。

・ヘイト・スピーチの被害者への悪影響、および国際人権法において可能な救済についての公的議論の支援。

・ヘイト・スピーチの被害者のためのサービスを提供するよう政府に支援する。精神的カウンセリング、医療、住居、社会サービスを含む。