ボリビアがCERDに提出した報告書(CERD/C/BOL/21-26 .21May 2019)
ボリビアは「人種主義及びすべての形態の差別と闘う多元的社会計画(二〇一六~二〇二〇)を策定・実施している。戦略目標として①商品・サービス分野における脱植民地・脱家父長制原則、②多様性尊重の文化促進のための知識の再発見、③脱植民地・脱家父長制の統治モデルの発展を掲げている。
具体的な計画は、①権利を侵害される人々のための計画と投資、②被害を受ける人々のための住居計画、③雇用の平等機会、④新しい司法への平等アクセス、⑤被害を受ける人々の政治参加、⑥健康と教育の新しいモデル、⑦先住民族のための兵役の是正措置、⑧メディアにおける差別防止、⑨先住民族のための相談システム、⑩司法官、教員、政治家への研修、⑪先住民族の精神的アイデンティティの強化と認知、⑫脱植民地委員会の強化、⑬脱家父長制の政府統治、⑭差別と闘う公務員研修、⑮人種主義と差別に関する調査研究ネットワーク、⑯報告と監視のための多元的システム、⑰人種差別撤廃のための情報と教育、である。これに基づいた法改革が続いている。
法律第四五号によると、人種主義又は差別の行為を被った者は、憲法、行政法、懲戒法及び/又は刑法による救済へのアクセス権を有する。公的権限において人に差別を行うことは違法行為であり、公務員には報告義務があり、私的領域における差別について被害者を保護する機関を設置し、メディアが人種主義や差別的思想を正当化し、出版することを禁止している。
刑法は人間の尊厳に対する犯罪を規定し、人種主義犯罪、差別犯罪、人種主義の唱道及び煽動、人種主義団体の設立及び活動、人種主義的理由に基づく中傷やその他の形態の言葉を処罰する。法律第四五号は、犯罪が人種主義及び/又は差別に基づいた場合に刑罰加重事由としている。二〇一〇~一八年に裁判所において審理された人種主義犯罪は一〇七三件である。