付録1 すでにICCSに含まれている変数に追加(又は修正)される、ジェンダー関連殺害を測定するための統計枠組みの要素
Ⅰ 女性と少女のジェンダー関連殺害(フェミサイド/フェミニシド)確定のための中核変数
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付録には、いくつもの図表が掲載されている。一部を紹介する。
最初の図表は「故意の殺人の実行犯と被害者の関係」である。
第1に、親密なパートナーと家族が分けられる。
親密なパートナーは、(1)現在の配偶者・パートナー、(2)元配偶者・パートナーに分かれ、それぞれに(a)同居、(b)非同居に分けられる。
家族は、(1)血縁関係、(2)その他の家族、婚姻、養子に分かれる。血縁関係は(a)両親、(b)子ども、(c)兄弟、(d)その他の血縁に分けられる。
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2つ目の図表は基準・変数・カテゴリーに即した分類である。
(1)
基準は4つ掲げられる。
(a)殺人被害者の暴力/ハラスメント被害前歴
(b)実行犯が制限命令を受けていたかどうか
(c)被害者が性産業で働いていたか
(d)殺害前後に性暴力があったか
(2)
これに対応して変数が4つ示される。
(a)暴力の前歴
(b)実行犯への制限命令
(c)被害者の性産業への関与
(d)被害者の身体への性暴力
(3)さらに4つのカテゴリーが示される。
(a)被害者が司法当局に暴力被害を届け出た。その他の手段で実行犯ンお暴力前歴が確認された。実行犯の暴力前歴に関する情報がない。
(b)当局から実行犯に制限命令が出ていた。制限命令が出ていない。情報がない。
(c)性産業で働いていた。性産業で働いていない。情報がない。
(d)殺害前に性暴力があった。殺害時に性暴力があった。殺害後に性暴力があた。性暴力がなかった。情報がない。
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情報収集のための変数として数多くの項目が列挙されている。
・奴隷制、・強制労働、・家事の強制労働、・産業の強制労働、・その他の強制労働、その他の奴隷制と搾取、・人身売買、・性搾取のための人身売買、・強制労働のための人身売買、・臓器摘出のための人身売買、・その他の目的の人身売買、・成人の性搾取、・子どもの性搾取、・子どもポルノ、・子ども買春、・その他の子どもの性搾取
また、刑法上の犯罪との関連も列挙される。
・自由に対する侵害行為、・誘拐、・両親の誘拐、・その他の家族の誘拐、・保護者の誘拐、・自由剥奪、・子どもの誘拐、違法な拘束、・ハイジャック、・その他の自由剥奪、・違法な養子縁組、・強制結婚、・その他の自由に対する侵害行為
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また、実行犯と被害者の関係についての図表が示されている。
(1)
友人/知人
(3)
その他の実行犯で、被害者が知っている
(4)
被害者が知らない実行犯
それぞれの下位分類。
(1)
友人/知人
(a)友人/同僚/仲間
(b)知人
(2) 当局/ケア関係
(a)保険提供者――医師、精神科医、看護士、その他
(b)介護者――職業的介護者、ベビーシッター、その他
(c
)教育者――教師、その他の教育関係者
(d)安全・保安要員――警察官、消防士、軍人、その他
(e)公務員
(f)雇用主
(g)その他のケア関係
(3) その他の実行犯で、被害者が知っている
(4) 被害者が知らない実行犯
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以上の他、年齢、性別、国籍・民族、雇用関係、アルコール・薬物など、武器使用の有無さまざまな観点で図表がつくられている。チェックリストになる。