Wednesday, June 08, 2022

フェミサイド測定のための統計枠組み04

付録1 すでにICCSに含まれている変数に追加(又は修正)される、ジェンダー関連殺害を測定するための統計枠組みの要素

Ⅰ 女性と少女のジェンダー関連殺害(フェミサイド/フェミニシド)確定のための中核変数

付録には、いくつもの図表が掲載されている。一部を紹介する。

最初の図表は「故意の殺人の実行犯と被害者の関係」である。

1に、親密なパートナーと家族が分けられる。

親密なパートナーは、(1)現在の配偶者・パートナー、(2)元配偶者・パートナーに分かれ、それぞれに(a)同居、(b)非同居に分けられる。

家族は、(1)血縁関係、(2)その他の家族、婚姻、養子に分かれる。血縁関係は(a)両親、(b)子ども、(c)兄弟、(d)その他の血縁に分けられる。

2つ目の図表は基準・変数・カテゴリーに即した分類である。

(1)  基準は4つ掲げられる。

(a)殺人被害者の暴力/ハラスメント被害前歴

(b)実行犯が制限命令を受けていたかどうか

(c)被害者が性産業で働いていたか

(d)殺害前後に性暴力があったか

(2)  これに対応して変数が4つ示される。

(a)暴力の前歴

(b)実行犯への制限命令

(c)被害者の性産業への関与

(d)被害者の身体への性暴力

(3)さらに4つのカテゴリーが示される。

(a)被害者が司法当局に暴力被害を届け出た。その他の手段で実行犯ンお暴力前歴が確認された。実行犯の暴力前歴に関する情報がない。

(b)当局から実行犯に制限命令が出ていた。制限命令が出ていない。情報がない。

(c)性産業で働いていた。性産業で働いていない。情報がない。

(d)殺害前に性暴力があった。殺害時に性暴力があった。殺害後に性暴力があた。性暴力がなかった。情報がない。

情報収集のための変数として数多くの項目が列挙されている。

・奴隷制、・強制労働、・家事の強制労働、・産業の強制労働、・その他の強制労働、その他の奴隷制と搾取、・人身売買、・性搾取のための人身売買、・強制労働のための人身売買、・臓器摘出のための人身売買、・その他の目的の人身売買、・成人の性搾取、・子どもの性搾取、・子どもポルノ、・子ども買春、・その他の子どもの性搾取

また、刑法上の犯罪との関連も列挙される。

・自由に対する侵害行為、・誘拐、・両親の誘拐、・その他の家族の誘拐、・保護者の誘拐、・自由剥奪、・子どもの誘拐、違法な拘束、・ハイジャック、・その他の自由剥奪、・違法な養子縁組、・強制結婚、・その他の自由に対する侵害行為

また、実行犯と被害者の関係についての図表が示されている。

(1)  友人/知人

(2)  当局/保護関係

(3)  その他の実行犯で、被害者が知っている

(4)  被害者が知らない実行犯

それぞれの下位分類。

(1)  友人/知人

(a)友人/同僚/仲間

(b)知人

(2)   当局/ケア関係

(a)保険提供者――医師、精神科医、看護士、その他

(b)介護者――職業的介護者、ベビーシッター、その他

(c )教育者――教師、その他の教育関係者

(d)安全・保安要員――警察官、消防士、軍人、その他

(e)公務員

(f)雇用主

(g)その他のケア関係

(3)   その他の実行犯で、被害者が知っている

(4)   被害者が知らない実行犯

以上の他、年齢、性別、国籍・民族、雇用関係、アルコール・薬物など、武器使用の有無さまざまな観点で図表がつくられている。チェックリストになる。