スウェーデン政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/SWE/19-21.
5 November 2012)によると、人種差別撤廃条約第四条(a)については前回報告書以後変化はないという。
第四条(b)について、人種、皮膚の色、国民的又は民族的出身、宗教的信念、性的思考に言及して、国民、民俗又はその他の非の集団に対して脅迫又は侮辱を含んだメッセージや情報を口頭又は文書で流布することは、国民又は民族集団に対する煽動として犯罪であり、二年以下の刑事施設収容、当該犯罪が微罪の場合は罰金に処される。犯罪が重大な性質を有すると判断された場合、刑は六月以上四年以下となる。国民又は民族集団に対する煽動は文書による場合もテレヴィ放送による場合も禁止される。組織的な犯罪活動への参加は、犯罪実行の共謀、準備、未遂又は共犯として処罰される。
刑法第二三章第四節の共犯規定によると、犯罪実行をした者だけではなく、助言や教唆によって促進した者にも刑罰が課される。刑法第二三章第一節によると、犯罪実行に着手すれば既遂に至らなくても一定の危険を生じた場合には処罰される。刑法第二三章第二節によると、犯罪実行の準備をした者は、処罰される場合がある。二〇〇八年の組織された犯罪と闘うための欧州評議会枠組み決定に従って、二〇一一年、準備と未遂の適用範囲が拡大された。
第四条(c)について、裁判所、行政機関等は、法の前におけるすべての者の平等を考慮し、客観性と公平性を守ることを要求される。この規定は自然人にも法人組織にも適用される。民族差別の支持や助長は刑法及び民法の適用を受ける。