Monday, March 04, 2019

「日本のアールブリュット もうひとつの眼差し」展


午前中はローザンヌ博物館で自然史(地学、鉱物、動物)の展示を見た。ローザンヌ鉄道駅から地下鉄でモーリス・ベジャール記念リポンヌ駅に出る。ローザンヌ大聖堂がそびえる丘の麓に広場があり、その前に博物館がある。昔はローザンヌ大学だったという。

自然史のお勉強を終えて、広場に並ぶ朝市でサンドイッチとチーズを買って、噴水の脇で早めの昼食。


それからローザンヌ・アールブリュット美術館に歩く。何度も歩いた道だ。7分ほどで美術館にたどり着く。美術館と言っても、大きな邸宅を改装した建物で、以前は展示スペースが狭かったが、改装と増築を重ねてかなり広くなった。

いつもの常設展と思って入ったところ、2階の半分が「日本のアールブリュット もうひとつの眼差し」展だった。案内の小さなリーフレットに、『日本のアールブリュット もうひとつの眼差し』が出版されたとある。国書刊行会から立派な本になっている。

西欧における「日本のアールブリュット」展は2回目だという。数年前の展覧会がとても好評だったので、今回の企画になったという。どうやら日本で展覧会を開き、同じものをローザンヌに持ってきたようだ。


「日本のアールブリュット もうひとつの眼差し」展は2つの部屋に展示された。

1の部屋には、土井宏之(まるのモチーフによる輪廻転生、宇宙)、稲田萌子(クラフト工房La Mano、和紙によるコラージュ)、ミルカMIRUKA(アート施設YELLOW、カラフルな鳥)、モンマ(道化、半人半獣、自己救済力)、野本竜士(アトリエ・ギャラリー「工房集」、接着剤の造形)、岡元俊雄(やまなみ工房、運送トラックのドローイング)、柴田鋭一(工房集、石袴)。

2の部屋には、戸次公明(びわこ学園、粘土による陶芸)、井村ももか(やまなみ工房、ボタンのオブジェ)、鎌江一美(やまなみ工房、米粒突起の素焼き)、小林一緒(食材、パッケージ)、桑原敏郎(乙女とグレムリンのドローイング)、三浦明菜(アートセンターあいのさと、ドローイング)、西村一成(男とジャガイモ、顔と眼)、西岡弘治(アトリエコーナス、楽譜のペン画)、大倉史子(工房集、作らずにはいられない人、ドローイング)、ストレンジナイト(創作仮面館)、杉浦篤(工房集、スナップ写真の引用アート)、竹中克佳(やまなみ工房、油性マーカーの絵画)、田村拓也(やまなみ工房、マーカーの絵画)、植野康幸(アトリエコーナス、ファッション誌の写真引用)、山崎菜那(やまなみ工房、ファッションモデル)、横山明子(工房集、パステルのドローイング、同心円)。

鳥を描くミルカ、接着剤の造形の野本竜士、米粒突起の素焼きの鎌江一美、同心円の横山明子、いずれも比類のない傑出したアーティストだ。


ローザンヌ・アールブリュット美術館には世界各地の作家の作品が収められている。これまで欧州やアメリカのアールブリュット作品を授業で紹介してきたが、今年から、日本のアールブリュットも取り上げることにしよう。