Wednesday, March 13, 2019

国連で日本のヘイト・スピーチを訴える


13日、ジュネーヴの国連欧州本部で開催中の国連人権理事会40会期の議題5「人権メカニズム」で、NGOの国際人権活動日本委員会(JWCHR、前田朗)は、日本のヘイト・スピーチについて、おおよそ次のような発言をした。



<マイノリティ問題の特別報告者フェルナンド・デ・ヴァレンの報告書(A/HRC/40/64)を歓迎する。これに関連して、日本におけるヘイト・クライムとヘイト・スピーチの最近の状況を紹介したい。

 昨年の東京メトロポリタン放送の琉球における人権活動家に関する番組には放送倫理に対する重大な違反があった。番組は辛淑玉さんを中傷した。彼女は在日朝鮮人で、著名な人権活動家である。番組は、彼女や琉球の人々を「テロリストだ」とレッテルを貼って誹謗した。番組には虚偽と差別的情報が含まれている。それゆえ、琉球の人々と在日朝鮮人に対する人種差別を煽動した。

 在日朝鮮人ジャーナリストの李信恵さんもインターネットで人種主義集団から攻撃されてきた。彼女は数年間、オンライン・ストーキング、オンライン・セクシュアルハラスメント、「晒し」や「荒し」の被害を受けてきた。昨年11月、大阪高裁は、人種主義集団の「在特会」に損害賠償を支払うよう命じた。彼女は「保守速報」に対する裁判も起こしている。

 オンライン暴力の被害結果は、特にジェンダー化されており、女性と少女が特定の烙印を受ける被害を被ってきた。オンライン暴力を受ける女性は有害で否定的なジェンダー・ステレオタイプの被害を受けている。

 2018年9月26日、人種差別撤廃委員会は日本政府に、人種差別を禁止する包括的立法を行い、インターネット上のヘイト・スピーチと闘う効果的な措置をとるよう勧告した。

 しかし、日本政府は表現の自由などと称して、ヘイト・クライムとヘイト・スピーチを予防する措置をとっていない。>


議題5では、マイノリティ・フォーラム報告書、民主主義と法の支配報告書等が報告され、政府の発言に続いてNGO発言だった。13日に回ってくるとは思っていなかったので、慌てたが、無事発言できた。私の前後のNGO が何人も欠席していたのは、まさか今日回ってくると思っていなかったからだろう。

ここ数年、日本のヘイト・スピーチの状況を報告してきた。人権理事会のUPRや、人種差別撤廃委員会でも改善勧告が出されてきたが、日本国内では相変わらず「マジョリティがマイノリティにヘイト・スピーチをする表現の自由」を唱える憲法学者やジャーナリストが多数いる。

「マジョリティがマイノリティにヘイト・スピーチをする表現の自由」と明確に書けば、「いや、私はそんなことを主張していない」と弁解するが、多くの憲法学者が唱えているのは「マジョリティがマイノリティにヘイト・スピーチをする表現の自由」以外の何物でもない。この状況を変える必要がある。