Thursday, March 14, 2019

シャガールのブーケ――ロモン城


ロモンは丘の上にある。

10年くらい前に来たときは青空に浮かぶ城が揺れて見えた。今日は小雨で、時々風が強くなるので、城は見えない。スロープを上り、階段を上る。前を猫が横切る。また、階段を上ると、広場に出る。その向こうがロモンの町の真ん中、ロモン城だ。

城は現在、ステンドグラス博物館になっている。スイス及び周囲の地域の古いステンドグラスの多くは、教会に置かれたもので、聖書や神話の物語を刻んでいる。マリアやイエス、あるいはアダムとイヴも。19世紀後半以後は装飾グラスになる。あたかも抽象画のようなデザインが増えていく。20世紀にはステンドグラス専門の作家が登場する。

ポール・マッカートニーの顔のステンドグラスがあるのは、メアリー・マッカートニーがステンドグラス・ファンで、作品を作っていたからのようだ。

ステンドグラスだけではない。硝子作品も展示されている。さらに、ステンドグラス工房が公開されている。

そして、シャガールのブーケが1点だけ展示されている。マルク・シャガールのステンドグラスと言えば、チューリヒの聖母教会だ。何度か見に行った。聖母教会と比べると、ロモンのブーケは、本当に完成作品なのかな、と思えるところもあって、見劣りがする。とはいえ、シャガールはシャガールだ。


St-Saphorin, Bourg de Plait, 2016.