琉球の自己決定権BOOKLET①
『日米の植民地主義に沖縄人はどう立ち向かうのか』(命どぅ宝!琉球の自己決定権の会、2018年)300円
*
「憲法番外地・沖縄――沖縄を取り巻く法・政治と植民地主義」高良沙哉
「日米に衝かれた沖縄近現代の弱点」伊佐眞一
「私たちは何者なのか――植民地主義、先住民族の議論から」親川志奈子
*
沖縄大学人文学部で憲法学や軍事性暴力を研究する高良には、『「慰安婦」問題と戦時性暴力』(法律文化社、2015年)という重要著作がある。木村朗・前田朗編『ヘイト・クライムと植民地主義』(三一書房、2018年)に「琉球/沖縄における植民地主義と法制度」という論文を寄稿してもらった。シンポジウムの記録である本ブックレットでも、「憲法番外地」という言葉で沖縄が置かれた状況を点検している。植民地主義が日本憲法学においてどのように論じられてきたか、論じられてこなかったか。「植民地主義に基づく差別のために憲法が沖縄に適用されにくいという状況を理解しない限り、問題性には気付きにくいのではないかと考えます」。説得的な議論だ。
私見では、憲法学のみならず、日本国憲法こそが植民地主義の根拠である。「憲法が植民地主義に基づく差別を内包・容認しているために、沖縄差別が正当化されてしまう」。
高良はそこまでは明言していないが、同じことを考えているのではないだろうか。
*
命どぅ宝!琉球の自己決定権の会