Wednesday, February 05, 2020

ヘイト・クライム禁止法(165)キューバ


キューバ政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/CUB/19-21. 9 September 2016)によると、刑法第116条はジェノサイド、第120条はアパルトヘイトを犯罪としている。刑法295条1項は、平等権侵害の罪を、6月以上2年以下の刑事施設収容及び・又は200以上500以下ユニットの罰金としている。平等権侵害の罪は、人の性別、人種、皮膚の色、又は国民的出身に対する攻撃的な言動により、又は同じ動機を持って平等権を妨害することにより、人を差別し、又は差別を助長・煽動した者とされる。刑法295条2項は、人種的優越性又は憎悪に基づく思想を流布した者、又は異なる皮膚の色又は出身の人又は人の集団に対して暴力行為を行い、又はその実行を煽動した者を処罰する。

1985年の結社法は、憲法が保障する結社の権利の行使を規制し、人種主義団体や隔離主義団体の結成を禁止する。他方で、多様な国民の歴史、文化、アート、人間の友好、連帯、平等の研究、流布、維持を促進する結社を認める。

人種差別撤廃委員会はキューバ政府に次のように勧告した(CERD/C/CUB/CO/19-21.20September 2018)。アフリカ系人民の反差別のための活動をする人権活動家、特に市民社会のリーダー、ジャーナリスト、メディア関係者に対するハラスメント、脅迫、資格剥奪などを予防する措置を講じること。憲法及び刑法の規定における禁止される人種差別の定義を、条約第一条の定義に合致させること。人種主義ヘイト・スピーチと闘う一般的勧告第35号を参照し、条約第四条が定める行為を刑法において犯罪化すること。人種主義動機、又は皮膚の色、世系、国民的出身に基づく動機を刑罰加重事由とすること。