Thursday, April 18, 2013

ヘイト・スピーチ処罰実例(3)

ブルガリアが人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/BGR/19. 14 March 2009.)によると、ブルガリアには、人種主義、反セミティズム、外国人嫌悪その他の差別思想を流布する運動や組織は存在しない。個人や小規模グループによる個別の事件が存在する。2000年12月、ヒトラーの『わが闘争』が首都ソフィアの書店に置かれたため、捜査が行われ百部が押収された。憲法第39条第1項は表現の自由を保障し、同条第2項は、表現の自由といえども他人の権利を損ない、犯罪を行うために利用してはならないとしている。2001年、ソフィア検事局は刑法第162条違反の嫌疑で2人の市民について捜査を開始した。2005年6月、2人は同書を2000部出版したことで起訴された。                                                                          他方、2001年、国際的な支援を得たスキンヘッドのグループによるインターネット・サイトに、ナチスのシンボル、『わが闘争』本文、その他のファシスト文書が掲載された。同サイトは削除され、検事局により被疑者は身柄拘束され、起訴された。                                         2001年9月、サモコフ市で一団の生徒たちがロマの生徒たちを襲撃した。これを知った被害者の親たちが学校へ向かい、その途上で3人の市民に殴打を加えた。警察は、ロマ生徒を襲撃した9人の生徒、及び市民を殴打した2人のロマを特定し、事件の予防のために警備を強化した。