Monday, January 13, 2014

特定秘密保護法廃案をめざして

清水雅彦・臺 宏士・半田 滋『秘密保護法は何をねらうか』(高文研)                                                       http://www.koubunken.co.jp/0550/0532.html                                                        日本体育大学准教授(憲法学)、毎日新聞記者、東京新聞論説委員の3人による特定秘密保護法批判の書である。本書作成中に秘密保護法が制定されてしまったため、秘密保護法案批判だった本書は、秘密保護法廃止を目指す理論書となった。本文80ページほどの小さな本だが、戦後日本における秘密保護法、特に1980年代の国家秘密法をめぐる論争、あるいは日米安保条約体制化の秘密法制(アメリカの要請による秘密保護制度)、さらにわ防衛・外交に加えて公安警察の秘密主義体質に由来する秘密保護法制など、多様な流れが特定秘密保護法に流れ込み、2013年の安倍政権の強引な法制定が実現した経過を分かりやすく示している。表現の自由、知る権利、報道の自由はもとより、市民生活の安全すら破壊しかねない悪法との闘いは、改憲策動との闘いにつながり、3.11以後の脱原発の闘いともつながる。いのち、暮らし、人々の自由と安全を顧みず、ひたすら利潤を追求し、抑圧的な社会を構築しようとする国家と資本の論理に抗する2014年の闘いをここから始めたい。