Friday, March 06, 2020

「慰安婦」問題を国連人権理事会に報告


3月6日、ジュネーヴの国連欧州本部で開催中の国連人権理事会第43会期において、NGOの国際人権活動日本委員会(JWCHR、前田朗)は、議題3(市民的政治的経済的社会的文化的権利)のセッションで次のように発言した。



 <「慰安婦」問題、第二次大戦時における日本軍性奴隷制の最近の状況を報告したい。

3月2日、大邱市(韓国)で元慰安婦、92歳の韓国女性が亡くなった。被害=生存者240人の内222人が謝罪も補償もないまま死んだ。現在生存者は18人に過ぎない。

 2月24日、カン・キュンファ韓国外相は、北京宣言から25周年であるが、女性に対する暴力及び戦争の武器としての性暴力を根絶するためにまだまだ多くの仕事が必要だと述べた。彼女は、政府は尊厳と名誉の回復を求めている「慰安婦」被害生存者の努力を支援していると述べた。彼女の発言を歓迎する。

 私たちは1992年以来、国連人権機関で日本軍性奴隷制問題の解決を要請してきた。

 日本軍性奴隷制は韓国と日本の2国間問題ではない。1945年の日本敗戦まで、アジア太平洋全域で行われた。被害者は韓国人だけでなく、中国人、台湾人、マレーシア人、インドネシア人、東ティモール人、パプアニューギニア人、オランダ女性であった。国際法の下で、日本には全ての生存者に救済を提供する責任があり、被害者には賠償を受ける権利が或る。

 私たちは国連人権理事会が日本軍性奴隷制の歴史の事実を調査するよう繰り返し要請している。>



私自身は19948月の国連人権委員会差別防止少数者保護小委員会に参加して発言して以来、四半世紀にわたって国連人権委員会、その後の人権理事会に参加してきた。今回で86回目の発言になる。なかでも「慰安婦」問題と、在日朝鮮人の人権問題の2つを一貫して取り上げてきた。「慰安婦」問題は、いまでは正面から議論されることはないが、それでも韓国政府や朝鮮政府が発言し、日本政府も一言反論する。NGOからの発言も必要だ。



新型コロナがイタリアでも猛威を振るっていて、フランスやスイスでも発祥している。スイスでは東南部のティチーノやグラウビュンデンのほうのようだ。最西部のジュネーヴではない。とはいえ、国連欧州本部では、人権理事会は予定通り開かれているが、それ以外のサイドイベントは中止になった。サイドイベント関係者や観光客は中に入れない。もっとも、ジュネーヴは世界中から人が集まる町なので、いつ発症するかわからない。世界保健機関WHOのお膝元で発症すると困る。私はWHOに徒歩3分の所に滞在している。郊外の岡の上だ。当面、宿と国連を往復するだけで、町中には出ないことにしている。