Thursday, October 24, 2013
日本と中国の普通の人々の日常から
中島恵『中国人の誤解 日本人の誤解』(日経プレミアシリーズ)――『中国人エリートは日本人をこう見る』のジャーナリストが、抗日や反中の不幸な関係を読み解くために、政治や経済の対立ではなく、市民生活の中で普通の人々がどのような知識と意識をもっているのかを明らかにして、無用な誤解の構図を乗り越えようとする。日本と中国で燃え上がるナショナリズムの対立が、政治やメディアで取りざたされ過激なる一方で、庶民は意外に冷静だ、などと済ますのではなく、目でチアに踊らされる庶民もいれば、さしたる関心を持たない庶民もいれば、日本にあこがれる中国の庶民もいる。反日は、日本批判というよりも、実際には中国政府批判だったり、生活への不満だったりする場合もある。そうした局面を、中国人留学生、ビジネスマンだけでなく、中国の大学生や、日常生活を営んでいる市民から聞き取りを行い、すれ違いの中身に迫ろうとする。相互の誤解のも渦を明かり身に出すことで、次の「理解へのステップ」となる。