Tuesday, October 22, 2013
国際自由権規約の人権委員会傍聴
22日午前中、ジュネーヴは凄い霧だった。10メートル先が真っ白状態。午後から晴れたので、パレ・ウィルソン(国連人権高等弁務官事務所)で開催中の人権委員会(Human Rights Committee)に傍聴に出かけた。「市民的政治的権利に関する国際規約」に基づいて設置された人権委員会である。わかりやすく国際自由権委員会と呼ぶこともある。以前は、国連人権委員会(Commission on Human Rights)があったので、両者を混同する人も多かった。後者は今は、人権理事会(Human Rights Council)で、やはりHRCなので誤解を招きやすい。Human Rights Committeeの略称はCCPRだ。22日はモザンビーク政府第一回報告書の審査だった。政府代表は7人いて、うち4人が女性。報告も女性が担当した。モザンビークはタンザニアと南アフリカの間にあるが、ポルトガルの植民地だったので公用語はポルトガル語だという。内戦が続いたこともあって、今回初めての報告書だ。死刑はない(死刑廃止条約を批准)、拷問もないと始めて、男女平等についてジェンダー政策を説明していた。国会議員は女性が40%だという。1997年には28%しかなかったという。「28%しか」と言うのなら、日本はどうするのかという数字だ。女性に対する暴力や、教育におけるジェンダー、出産後のケアのことも報告していたのは珍しい。委員からは、国際人権条約の適用事例はないのか、人権侵害被害者の賠償請求権の内容が不明だ、国内人権機関はどうなっているのか、過剰拘禁や刑事施設の収容条件はどうかなどの質問が相次いだ。傍聴席は、最前列にアフリカ系の人がいたが、3列目に白人が6人ならんで座った。隣の女性に聞くとポルトガル系だった。他方、2列目に日本人の若い男性が4人座っていた。背広にネクタイで、どう見ても人権NGOではないな、と思っていたら、日本政府推薦で委員となっている岩沢委員があれこれ話しかけて指導していた。大学院生か学生だろうか。夕方は、人権委員会で日本の人権状況についてロビー活動をするためにジュネーヴに来た国際人権活動日本委員会JWCHRのメンバーと打ち合わせ。