前田 朗「差別と闘う教育(四)東欧における反差別教育・文化政策」『解放新聞東京版』866号(2015年9月)
北欧、西欧、南欧に続いて、東欧諸国が人種差別撤廃条約第7条の「差別との闘い」をいか下に実践しているかの紹介である。チェコ、スロヴァキア、ポーランド、アルバニア、リトアニアを紹介した。
「実に多彩な反差別の取り組みがなされている。パレ・ウィルソンの国連人権高等弁務官事務所には世界各国の実例が報告・集積されている。学ぶべき情報が大量にあるのに、日本ではあまり研究されていない。
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校前から初等、中等、高等及び社会人教育の全分野が対象である。②教員研修に特に力を入れている。③法執行官(警察、検察、裁判所)への人権教育が重視される。④軍隊における反差別教育の例もある。⑤差別的出版や放送の規制がなされる。⑥寛容と反差別のための出版・放送に力を注いでいる。⑦イベント、美術展、コンサートも重要である。⑧マスメディアやインターネットにおける差別抑止が重要課題である。⑨差別実態調査、統計処理、対策強化が図られる。⑩欧州評議会など国際的連携が図られている。」
上に「あまり」と書いたのは不正確だ。「ほとんど」と言った方が正しい。人種差別撤廃条約の履行の実体を見ることなく、虚偽の情報を並べ立てる憲法学者が多い。