今朝(10月14日)の朝日新聞社説「辺野古移設 沖縄の苦悩に向き合え」は、沖縄に対する差別と、沖縄の自己決定権に言及している。これは積極面。
ただし、不可解な主張をしている面もある。
① 差別について
朝日社説は次のように述べている。
「日米安保条約を支持する政府も国民も、そうした沖縄の現実に無関心でいることによって、結果として『差別』に加担してこなかったか――」
差別と書かずに、「差別」とカギカッコつきにしている点はともかくとして、問題は誰が差別をしているのかを見えなくしていることだ。「政府も国民も結果として『差別』に加担」という。ひょっとしてアメリカが差別しているのかと思うと、社説はアメリカには言及していない。「結果として」というのはごまかしと言わざるを得ないだろう。それでも「差別」と指摘しているだけマシかも。
② 自己決定権について
朝日社説は、翁長知事がジュネーブの国連人権理事会で「沖縄の人々は自己決定権や人権がないがしろにされている」と訴えたことを引用し、次のように主張する。
「政府に求められるのは、沖縄の苦悩を理解し、人権や自己決定権に十分配慮する姿勢だ。まず計画を白紙に戻すことが、そのための第一歩になる。」
この点は評価できる。沖縄の自己決定権をどのように理解しているのかは、よく見えないが、社説は限られた字数の中で、沖縄の歴史と現状に言及している。