Monday, March 14, 2022

フェミサイド研究の現状05

欧州ジェンダー平等研究所(EIGE)の報告書『EUと国際的なフェミサイド測定――ある評価』(2021)

8.勧告

EIGEEU加盟国及びイギリスに対して下記の勧告をまとめている。

1.      フェミサイドの比較可能な作業定義

フェミサイドの比較可能な作業定義を実現する事。ジェンダーに規定された女性殺人、父母湯堂と支配のジェンダー構造において定義すること。

2.      細分化された情報収集

行政情報収集において細分化された比較可能な情報を収集すること。

・被害者と犯行者に関する情報(性別、性的指向、ジェンダー、年齢、出生地、国籍、教育水準、職業、居住地、移住状況、民族…)

・被害者と犯行者の関係

・殺人の文脈(場所、事件の性質、殺人の方法、子ども目撃者、子ども殺害)

・ジェンダー背景/リスク要因(ジェンダー不平等、依存性、経済状態、ダウリー関連、DV前歴、保護命令、凶器、アルコール常用)

・性的文脈、FGM

3.      分析と認定のために役立つ変数

・交差性の文脈(年齢、人種・民族、国籍、宗教、セクシュアリティ)、西欧中心的、人種的観点を避け、社会経済文化的文脈を考慮する

・構造的要因(ジェンダー関係、ジェンダー役割、規範、女性性と男性性等)

4.      フェミサイドに関するプロトコルの設置

フェミサイド認定のため、プロトコルを設置すること。少なくとも、被害者と加害者の関係、性暴力、残虐な暴力、組織犯罪や人身売買など、前歴を記録。

5.      情報収集の調整

警察、裁判所、保健所の情報収集の連携

6.      情報管理

収集した情報を活用して女性に対する暴力に効果的に取り組む。情報分析担当者の設置、情報リテラシー、研修とロードマップ、重複を避けること。

7.      年次報告や定期報告

8.      3か月ごと矢年次ごとのモニター制度を設置する。収集された情報の公開、共通指標の評価、有罪判決、保護命令の数、訴追数・判決数、制裁の内容。