内藤功『憲法九条裁判闘争史』(かもがわ出版)
目次
序章 原点
第1章 砂川刑事特別事件
第2章 恵庭訴訟
第3章 長沼訴訟
第4章 イラク訴訟
終章 現在
凄い本が出たものだ。
憲法9条、平和的生存権、自衛隊裁判、基地闘争、平和運動に関心のある人必読。
著者は、米軍駐留を憲法違反とした砂川訴訟の伊達判決、自衛隊を憲法違反とした長沼訴訟の福島判決などを勝ち取った弁護士だ。基地裁判闘争の第一人者だ。本書のいたるところに、著者ならではの平和観、裁判観、9条理解、平和的生存権把握が詰め込まれている。平和を求める闘いの指南書である。一気に読めてしまう。ためになるし、平和主義の確信が強化され、元気が出る。
対談の聞き手は川口創と中谷雄二。ともに、2008年の名古屋高裁自衛隊イラク派遣違憲判決を引き出したイラク訴訟の弁護士だ。砂川、恵庭、長沼からイラクへ。平和を求める運動と弁護士の闘いが継承されていく。本書の企画を思いつき、実現した2人に、読者として敬意を表し、感謝したい。
川口創には、笹本潤・前田朗編『平和への権利を世界に』(かもがわ出版)にも一文を書いてもらった。
川口創のブログ
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市民の司法
残念ながらミスプリが少々目立つ。憲法が拳法になっていたり(253頁)、私の恩師である風早八十二先生の名前が風早八二になっていたり(299頁)。