Thursday, March 07, 2013
最新の刑事訴訟法入門テキストに学ぶ
緑大輔『刑事訴訟法入門』(日本評論社、2012年)
http://www.nippyo.co.jp/book/6059.html
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学生向けの法律雑誌『法学セミナー』に連載したものを1冊にまとめた入門書である。著者は1976年生まれの北海道大学准教授。若手研究者だ。たしか刑事立法研究会で同席したことがあったが、よく覚えていない。
各章の冒頭に「事例」や「資料」を提示して、続く本文で理論的問題を考えるスタイルになっていて、わかりやすい。ジュネーヴに来てから、1日1~2章のペースで読んできて、なかなか勉強になった。もっとも、学部学生には結構難しいのではないだろうか。入門書にしては註にあがっている著書・論文などは実に専門的だ。これらも読むといいでしょう、と書かれているが、学生や法科大学院生にはとうてい無理だろう。
また、2年間の雑誌連載のため、自白にたどり着いたと思ったら、最後にいきなり「刑事訴訟法と学説」で終わっていて、裁判・判決・上訴・再審が抜けている。現状でも330頁あるので、それらを入れられなかったのはやむを得ないが。
未決拘禁、取調べ、黙秘権の記述は特に気になったが、従来の学説と実務の域を超えない。これまたやむをえないが、これで取調べにおける人権侵害を防止できるだろうか。現行の実務に対する批判は的確になされているが、そこから先が必ずしも十分ではない印象だ。
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LAPHROAIG 10 years old.