Thursday, May 30, 2013

ヘイト・クライム禁止法(21)

ヨルダン政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/JOR/13-17. 21 September 2011)によると、刑法150条は「異なる信仰集団や他の国民構成員の間に、信仰や人種の対立を引き起こし、紛争を作り出す意図や効果をもって、著述、演説又は行動を行った場合、6月以上3年以下の刑事施設収容及び50ディナール以下の罰金に処する」としている。刑法130条は「戦時又は戦争が勃発しそうな時に、国民感情を弱体化させ、又は人種又は信仰の対立を引き起こすためにプロパガンダを広めた者は、一定期間の重労働の刑罰に処する」としている。戦時のもので平時ではない。また、国民感情の弱体化が主題であって、必ずしもヘイト・クライム規定とは言えない。刑法80条は、煽動、参加、従犯などを定義している。団体禁止については、刑法151条が、150条に規定された基準で設立された団体に所属した者に、同じ刑罰を科すとしている。当該団体は解散となる。オーディオヴィジュアル法20条は、放送におけるテロ、人種主義、宗教的不寛容を禁止し、印刷出版法七条は、ジャーナリストの行動規範を定めている。刑法278条は、他人の宗教感情を害する印刷物の配布などを処罰している。