Thursday, May 23, 2013
ヘイト・スピーチ処罰実例(7)
デンマーク政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/DNK/18-19. 31 August 2009.)によると、2000~08年、検察官が捜査の必要なしとしたものが45件、いったん捜査に着手したが中止したものが30件、訴追撤回が24件あった。検察局が2008年4月に公表した報告書によると、2007年に判決が出た事例では、犯罪の全部又は一部が被害者の人種等に基づくものが8件、人種等に基づかなかったとされたのが2件であった。8件の多くは暴力が伴った事例であった。検察局によると、この報告書は、人種等に基づく犯罪の実態を表しているわけではない。人種的動機による疑いがあっても、その動機を刑事裁判で証明することができるとは限らない。被告人を特定できない事例もある。司法省とコペンハーゲン大学が行った2008年1月の犯罪被害年次調査によると、暴力被害者の6%は明らかに人種主義の帰結であり、4%はその可能性があった。強盗被害者の4%は人種主義によるものであり、5%はその可能性があった。